59日目:これが洗脳の実態?

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2016年10月16日(日)
朝5時40分に目覚まし時計がなるが、起きれず結局太極拳をさぼった。
次のノルディックウォーキングに参加したが、とにかく外が寒い。たまたま手袋を持っていたから助かったが、もし着けていなかったら手がちぎれそうな寒さの中でウォーキングを行わなければいけなかった。それほど寒い。アイスランドを出てもう4日にもなるのに、この寒さはなんだというくらい気温が低く、気持ちも盛り上がらない。

 

この日は9時30分から一月に一回の避難訓練がある日だ。放送で緊急信号が入ったら救命胴衣をつけて指定の場所に集まる。そして点呼をとるのだけど、実際に船が沈没しかけていたら、こんなにのんびりと行動できるものなのだろうか?

いつも指定の場所に集まって点呼をすれば終わりだけど、どうやって救命艇に乗るのか、どういう順番で行動するのかまったく行われないけど、これで訓練になるのか疑問に思えてしまう。
それでも約1時間避難訓練に時間を取られた。気分が沈んでいる時はこういう訓練もとても疲れてしまう。

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それから部屋に帰り、本を読み11時半に昼食に行く。昼食はまた麺料理だ。この日はシーフードヌードルだったが、味はもう一つだった。けれども寒い時に体が温まる食事は本当に嬉しい。ここの麺料理は寒暖に合わせて暖かくなったり、冷たくなったりしてくれるので、私は個人的にとても気に入っている。ただレストラン自体がデッキという外であることだけはいただけないけど。

今日は少し食べ足りないという気がしたので、9階の反対側のレストランに行き、ハンバーガーのハンバーグだけをとって食べた。ちょっと意地汚い食べ方だけど結構美味しかった。

昼からはもう暇暇暇の連続で部屋でひたすらのらりくらりしていた。この何日かは部屋で一人でいることが多かった。その理由は同室のオノちゃんがオーバーランドツアーで行った、負の世界遺産であるアウシュビッツ強制収容所の報告会が今日あるからで、その準備でこの数日間ずっと留守にしていることが多かったからだ。

 

この発表会はそのツアーに出た人が自主的に始めているわけではなく、ピースボート側から半強制的に行わされているものだった。たしかにやりたくないと言えば断ることが出来るものだったけれども、真面目なオノちゃんはしっかりピースボートスタッフにまるで都合の良いボランティアのように連日遅くまで作業していた。

その「アウシュビッツの報告会」がこの日の夕方にあったので私も参加した。

会場に着くと、入り口の飾りがアウシュビッツ強制収容所のイメージにした飾り付けをして、とても暗い音楽が流される。この時点からどう考えても自主的に準備されたものじゃなくって、誰かが船が日本を出港した時点から準備していたと断言できるほどよく出来たものだった。

報告会は劇から始まった。アウシュビッツ強制収容所に着いたユダヤ人を物のように仕分けをして、不要な人達を毒ガスで虐殺するシーンを演じた。それから数名が実際に行ったアウシュビッツのスライドを交え体験談を発表する。ここまではまだ良かった。ここからが段々と話がズレてきていた。話が何故か日本はアウシュビッツ強制収容所と同じことをしてきたと話をすり替えて来たのだ。例えば南京虐殺、関東大震災の時の朝鮮人虐殺と日本では歴史的に証明されていないことをあたかも史実として報告する。挙句にドイツはユダヤの人達に謝罪し賠償金を払ったけれども、日本は韓国、中国に何も行っていないなどと、堂々と述べさせていた。

最後には色々なニュースを組み合わせた映像を流し、現在の安倍政権はアウシュビッツと同じ間違えを繰り返しているというコメントが流れた。

ここまでやられると、とてもじゃないがどう考えても極端に偏った思想の持ち主が自分の意見を述べたいために、アウシュビッツのツアーに行った人達を使ったとしか言い様がないと思った。

報告会が終わってから、個人的にオノちゃんにちょっとやり過ぎだったと思うというと、一部のピースボートスタッフが強制的にやらせたとのこと。こんなことをやる連中がいるから、いつまでもピースボートは過激派集団だとか洗脳をしているとか言われてしまうのだと思う。

乗客を利用して、こんなことをしても評判が悪くなるだけで何も良いことがないことにスタッフの連中は全く気が付かないほど愚かなのかと呆れ返る。

 

報告会が終わって、正直かなり気分を害してしまって、それからは部屋にこもって本を読んで過ごした。

夕食の時も私一人気分を害していて、周りの人が昨日のビンゴが盛り上がった話や、明日の真ん中発表会での準備で盛り上がっているの話をしているのに、全くうわの空で気持ちが沈む一方で暗い。

食後もまた部屋にこもって本を読んで過ごす。結局今日はほとんど船室から出ることもがなく一日が終わった感じだ。

何もしない、何もできない、心が落ち込んで狭くなっているから、ちょっとした事で気分を害しているのか、それともピースボートが世間の言うような団体なのか。とにかく気分が重く、とても怒りを感じる感情で今日もいた。

そんな状態がいつまで続くのか、相変わらず太西洋の海の色は灰色でどこまでも暗い。私の気持ちと同じだ。

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