70日目:キューバ虚無の散策

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2016年10月27日(木)
次の日の朝6時40分ごろに起きる。今日は朝から市内観光の続きだ。
今日は基本的にガイド付きで街の散策をするとの事だけど、気分的にあまり乗る気がしない。

ツアーの集合場所に行ってそれからまた入国審査所へ、二日目はパスポートを見せるだけで何とかすんなり通してくれたが、しかし荷物検査はしっかりされる。何でこんなにチェックする必要があるのかと疑いたくなる。ピースボートはアメリカに寄港してきたから余計に検査が厳しいのかと疑いたくなる。

 

外にバスが待っているものとばかり思っていたら何もない、どこに案内されるのかと思ったら、港のすぐ前の広場で今日の日程はこのあたりを散策するだけだという。これでもツアー代金をきっちり取っているので、正直呆れかえる。最初はアルマス広場という普通の広場でそこで延々と20分ほど解説がされるが、全然興味なしだし、どの建物が何々とか言われても区別もつかずまったく理解不能だ。

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それが終わったらまた数十メートル離れたところにある、像の前で延々と説明。それも別に偉人の話ではなく、単なる浮浪者が町の人に人気があったという話を延々とする。

そんな調子で、ツアーが続くものだからあまり面白くなくって、途中で離脱した。

 

それで1時間ほど街歩きをすることになったけれども朝9時過ぎになっているのに、店がまともに開いていない。人々も仕事にも出かけていないようだ。

時間がたつにつれて店は開き始めて来たけれども、多くの店はあっという間に人々の行列ができていた。そういう所はパンとか肉とかの食料品売り場だった。品数が少ないせいか、それとも配給制なのか知らないけれども、何となく終戦直後の日本とタブってしまう。

 

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そういえば衣料品とかのほかの店も品数が極端に少ない。かろうじて商品があるのは観光客相手の民芸品の店だけだ。

そんな民源品屋さえも、目につくような品物があるわけではなく余り多くの観光客は入っていなかった。

街で唯一目立つのは、野良犬や野良猫の姿だった。彼等だけが唯一優雅にくつろいでいる姿を見ると、ひょっとしてこの国で一番幸せな生き物なのかと思ってしまった。

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そんな感じの街なので、特に興味がわく物はなくある程度、散策したらさっさと船に戻った。

 

個人的にはキューバで見るものはないというのが本音だ。
船に戻ったら、何となく安心した。

 

結局私がキューバで使ったのは3ペソ、約3ユーロほどだけだった。何もほしいもの、食べたいものもなかった。そう感じる国だった。

 

船室で戻ってから整理したりしているうちに、お昼になったので9階で麺を食べに行ったら、すごい行列ができていた。なんだか他の人もキューバになじめず日本の味に走ったのかなと思ってしまうほどだった。それほど日本の味が恋しい気分になった。

 

キューバは革命前、汚職政治にアメリカの経済支配が行われていたそうだけど、今の現状はその時より国民が幸せで暮らしやすくなったとは私の目から見て思えない。いくら清い政治、国民のための社会主義と言っても豊かな国ができなければ、本当の幸せが来ないと思える。

 

仕事熱心でもなく、何となく貧しい生活にどっぷりつかって適当な生活をしているというイメージしか私には浮かばない。
船はキューバを出港した今、この国には二度と来ないだろうなと心から思った。

 

出航してからは昼寝をしたり、日記を書いたり、本を読んだりといつもの暇つぶしをするだけで、特に何もしなかったけれど今日の午前中にキューバの街を歩いたことさえ忘れてしまっていた。それほど私にしては印象の薄い国だったのかもしれない。

 

夕方唯一の講座で英語の学び方を聞きに行ったけれど、これも外れごく普通の英語の学習法の解説で全く得るものが無かった。
なんだか今日一日がなんとなく虚しく過ぎて行っているという感じしか残らなかった。

 

夕方の食事は今日も魚料理、いい加減飽きてくる。乗っている人が老人が多いのでそれに合わせているのかもしれないが、あまりにもメニューが偏っている気がする。ヘルシー志向なのは分かるけど、若い子たちも乗っているのだからそれなりのメニューも考えてほしい。

 

食後また波へいに飲みに行く、焼酎一升瓶ボトルでキープしたからみんなに振舞う。普段あまりこういうことをしないタイプの人だから少しはこれくらいのことをしても罰が当たらないだろう。

 

その後10階デッキで海を見て何となく、みんなでおしゃべり、なんだかんだと言っても船の旅も後3分の1になってしまって帰国後の事に話が移る。考えれば私なんて帰国後はただのプータローだ。何か考えて少なくとも自分の食い扶持ぐらいを稼げるようにならなきゃいけないと真剣に考える。今からその先の生活をしっかり考えなきゃ本当にいけないと思った。

そう思いながらも、この日は寝た。また時差が1時間戻ったのでこれで日本との差は14時間だ。今迄離れる一方の意識が強かったけれど今は確実に日本に向かって帰っていくという感じがする。早く帰りたいけど、帰ってからの生活がどうなるものか不安もいっぱいだ。

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