ピースボートのクルーとスタッフ

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ピースボートには毎回1000人前後の乗客が乗っているのだけれど、当然それ以外に乗務員が400人ほど乗っている。

彼等がいるから、船は運航されるし、毎日の部屋の掃除や食事の支度をしてくれるので乗客は安心して旅ができる。

彼らは一般的にクルーと呼ばれている。

 

ピースボートのクルーは正確に言えば、ピースボートという団体とは関係なく、あくまでも船本体であるオーシャンドリーム号の乗務員だ。

彼らの多くは契約社員で基本9か月単位の契約で雇われている。

その多くは東南アジアや東欧、中南米などの発展途上国と呼ばれる地域から来ている人達だ。

 

しかし英語も堪能で高学歴の人もかなり多いのだが船での待遇は決して良くないそうだ。

聞いた話だが、客室係やレストラン担当者が一ヶ月日本円で9万円ほどだそうだ。確かに自国で働く事を考えると良い給与かもしれないが、多くのクルーが毎日10~12時間ほどの就業時間があり、航海中は休みなどはほとんどない事を考えると一概に好条件とはいえない。

 

実際私の部屋担当である客室係の女性は毎日朝7時には仕事を始めていたし、夜9時過ぎまでずっと仕事をしていた。またベッドメーキングも私が気がついている範囲では一度も彼女以外の人が来たことはないので、ほとんど休みなしで働いていた。

 

また別のレストラン担当の女性は朝早くからレストランの清掃をやっていたし、夜は居酒屋の店員として2時頃まで働いていた。その間にメインの4階のレストランで給仕もしてくれていたので、本当にいつ休憩時間があるのかと不思議に思うくらいよく働いていた。

 

一度、仕事が大変だろうと思って聞いたことがあるけど、返ってきたのは仕事が楽しくって全然大変じゃないという言葉だった。それに世界中を行くことが出来るので多少仕事がきつくても、それが逆に励みになると笑って応えてくれた。

しかし現実的にはオーシャンドリーム号は他のクルーズ船に比べて給与面でかなり悪いので、条件が良い船に替わる人も結構いることも事実だそうだ。そのために能力のあるクルーが少なくなっていることもあるだろう。

 

それでも、日本人の私から見れば彼らは真面目で勤勉であることには違いない。確かにミス等も結構多いし、生活習慣が違うために時には腹立たしいことも何度かあったけれども、一所懸命に自分の仕事をこなそうとしていることには間違いなかった。

だからピースボートに乗っている間、彼等には本当感謝の気持ちでいっぱいだった。彼等のおかげで楽しい船旅が出来たと思う。

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その反面というわけではないが、ピースボートにはスタッフと呼ばれている連中も乗っている。

 

彼らはオーシャンドリーム号ではなく、ピースボートを企画しているNGO団体ピースボートの関係者か、ピースボートを運営しているジャパングレィスの関係者だ。

なぜ関係者と言ったかというと、彼等の多くは正規社員ではなく契約社員かボランティアスタッフと呼ばれる人達だからだ。

多くの場合は航海単位での契約で中には無給の人もいるそうだが、船には当然タダで乗っている。

 

だから乗務員の待遇ではなく、乗客の待遇でピースボートに乗っているので、部屋は一般の船室だし、食事も一般のレストランで食事をしている。

 

部屋などは乗客の一番下のランクから比べればかなり優遇された部屋で寝泊まりしているから、いくら給与が安く、時には無給だとしてもツアー代金を考えると1月40万円程度の給与をもらっているのとかわらない待遇だ。

 

彼らの仕事の多くはピースボート内での色々な企画の運営や、カルチャースクールの講師などであるがクルーに比べて仕事量ははるかに少なく、雑でいい加減だ。

例えば彼等の仕事に船内新聞の発行やクルナビという船内に放送する番組を作ったりすることがあるのだが、新聞は間違いだらけだし、番組は音が出ない。編集が雑など素人同然の出来だ。(というより、後で書く素人の乗客に作らせていたので、素人同然は当然なのですが)

 

時には寄港地などではツアーの添乗員として働くこともあるが、その仕事ぶりは決して有能ではない。

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ツアーで添乗員として乗っているのに現地のことは何も知らず、ただバスに座っているだけという姿を何度もみた。またツアーの乗客に対して平気で暴言をはき一触即発になったこともある。

確かに中には意欲的に仕事をこなしているスタッフさんもいたことも事実だ。しかし全体的に見てそういう意欲があるスタッフは少なかったのも事実だ。

 

それ以上に文句を言いたいのは、ピースボートにあこがれて当然お金を払って乗ってきた若者を自分の手下のようにこき使うスタッフがかなりいたことだ。

確かにピースボートやジャバングレィスのスタッフになる一つの道として、ピースボートの乗客の中でやる気がある若者に声をかけると言う事を実際行っているので、ピースボートのスタッフに憧れている若者達を自分の手足として使うのは簡単なことだと思うけれども、尋常じゃない仕事量を押しつけるのはいくら好きでやってくれているからと言ってやり過ぎじゃないかと思ってしまう。

 

また良く打ち合わせやミーティングという名目で8階のロビーや波へいで多くのテーブルや椅子を占拠してしまうために、一般の乗客が座れなくなっていても誰一人それを譲ろうとしない姿勢が不思議だった。高齢者が多いピースボートで慈愛の精神さえも持っていないスタッフが多いのには呆れかえるしか言いようがない。

 

それに自分たちの方が偉いという意識が強いのか、何かをお願いしても上から目線の回答しか返ってこない。

その為乗客と良くもめている姿を何度見たことか。

 

夜も波へいで遅くまで宴会をしていて、いつも明日の業務に差し支えがないのかと思ったけど現実は寝坊して自分の仕事が出来なかっても反省することもほとんどなかった。実際私自身、講師が寝坊したためにカルチャー教室をすっぽかされたことが何度もあった。

 

どうも、ピースボートのスタッフの多くは自分達は乗客の一人と思っているのかもしれない。自分達は仕事でピースボートに乗っているという意識が低く、感性も常識も低いために、乗客からクレームがつくような行動を平気でとれるのかもしれない。

 

私などはピースボートはクルーだけがいれば十分運営できるのではないかと思ってしまうぐらい、スタッフの必要性を感じない。

少なくともスタッフに一番学んでもらいたいのは、もっと世間の厳しさと仕事とは何かと言う事だ。

ピースボートではなれ合いで許されることが世間では許されないことが多くあることを知ってほしい。

 

現在世界的にクルーズ船ブームになっている中で、ピースボートのようないい加減なスタッフが運営する船にどれだけ乗りたいと思う人がいるのだろう。

現状で低予算でも上質なサービス受けられるクルーズ船が増えていっている中で、このままの体質ではピースボートは遅かれ早かれ淘汰されるとしか言いようがないのが本音だ。

ピースボートを本当の意味で世界友好の為の架け橋の船にしたいという思いがあるのなら、まずスタッフの意識改革から始めてほしいと思うのは間違っていないと思う。

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