エコシップ造船所売却決定!?でもなんか契約内容変じゃないですか?

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久々の更新です。(^_^;)

冬の間、ぼーと生きておりまして気がつくと春になっておりました。

そこに本日エコシップウォッチャー様からコメントをいただき、少しは最新の情報も書かなければと思い、いろいろと調べてみたところまたエコシップに関して新たな疑惑の火種になる記事を見つけてしまいました。

そのまえに、前に書いてから大分時間が経っているので、少し状況を整理したいと思います。

ピースボートのエコシップの完成が2020年の安全基準に対応するためという名目で2年間延期されるとの発表が今年の1月にありました。

またエコシップの完成が遅れるのでその代りのクルーズ船をチャーターして2020年からはオーシャンドリーム号と2隻体制で地球一周クルーズを行うという発表があり、3月末までにはチャーター船を決定し、4月中には新クルーズ航路の発表も行うという事でした。

それから同時期に週刊文春にエコシップ疑惑が報道され、それに回答する形でピースボートの造船を依頼しているアークテック造船所との契約は既にすんでおり、着手金の支払いも行っているとジャパングレイスは正式に発表しておりました。

ところがです。フィンランドの国営放送YLEやロシアの全国紙のコメルサントなどは、アークテック造船所はロシアの経済制裁の為に船の造船資金を銀行から融資を受ける事が出来ず、2016年以降新たな造船契約が出来ない状態になっておりました。

そのため日本のピースボートからも打診があったが結局契約に至っていないという報道が行われました。

なおかつ、ロシアの国営企業USCが2014年にアークテック造船所を買収し100%子会社になった以降、常に大幅赤字の上に船の納期遅れのために違約金として5000万ドルを払う事になってしまい、USCは2017年末には売却する事を決定しました。

その後、何度か売却の話は出ては消えを繰り返し、ついにUSCは切れてしまって売却できなかったら倒産も辞さずという感じになっており、そのタイムリミットがこの4月と言われておりました。

こんな会社にエコシップの造船を依頼するジャパングレイスも凄いですが、世界の一流報道機関がピースボートは契約してないよと言われても、ちゃんと契約してお金も払っていますと言うだけでも凄い厚顔無恥だと思ってしまいます。

で、ここから本題です。

4月もあと残りわずかとなっている今現在、アークテック造船所はどうなったのかというと、タイトルに書いてあるとおりほぼ売却は決まったようです。

ほぼと言ったのは今週中にUSCの役員会で認可され正式決定になるそうなので、まだ少し流動的な要素があるからです。

ちなみに今回のニュースソースもコメルサントからでした。

https://www.kommersant.ru/doc/3939397?query=Arctech%20Helsinki

ちなみに記事によりますと、売却は6000万ドルとネフスキー造船所を付けるという事で合意したそうですが、ここで不思議な事が2点ありました。

まず1点目なんですが、アークテック造船所と言う会社自体はUSCに残り、負債もUSCが全額負担するという事です。それってアークテック造船所の施設だけを売却するという事なのかなと思ってしまいます。

もう一点の方なのですがUSCは売却で6000万ドルを受け取る事になっていますが、負債額を考えると、足らないぐらいで実質的にはアークテック造船所とネフスキー造船所を交換しただけじゃないのと思ってしまうのですが、このネフスキー造船所ってすでにUSCの傘下で株の50%を取得しているみたいなので、残り半分の株だけが実質的な売却金額のような気がします。(アークテック造船所の負債を考えるとタダ同然で売ったようなものかも)

コメルサントには売却先がはっきり書かれていなかったのですが、別のサイトによればロシアの元高官の関係する企業のようで結局ロシア国内での売買契約だったようで、これでは経済制裁の解除になるのかなと思ってしまいます。

個人的に一番疑問として残るのは、ジャパングレイスが契約したのはどちらの会社になるのかという事です。

元の会社自体はUSCに帰属するようなので、当然USCとの契約になるのでしょうか?

それとも新たな会社と契約するのでしょうかね。

それ以前にジャパングレイスが払ったという着手金はどちらの物になるんでしょうね。

下手をすればUSCの負債の相殺に使われておしまいという事もあるような気がします。

もっともこれはジャパングレイスが言っている事が全て正しい時のことで、海外報道機関が流している記事が正しければ、契約もしていないわけですから今回の事でも全然影響がないと思います。

個人的な予想では、またジャパングレイスはなんだかんだと理由を付けて契約先が替わったとか、また延期になったとか逃げるだけでしょうね。

たぶんGW開けぐらいには何かの発表があるような気がしますが、今回は言い訳が通用するかな。

それにしても、エコシップの代りの新クルーズ船発表はどうなったのでしょうね。

新クルーズの航路と値段も気になる所ですが、値段が大幅に上がると乗る人はいないでしょうね。

実際比較的低価格のJTBが鳴り物入りで去年発売した世界一周チャータークルーズでさえもキャンセル続出で2000人のところが1300人ほどしか集まらず採算ギリギリだとか聞きました。

たしかに安いショートのクルーズはそこそこ人気がありますが、飛鳥もそうですが世界一周などの高額で長期のクルーズ需要はそれほどあるようには思えないです。

ジャパングレイスもアグレッシブに挑戦するのも良いけれど、失敗したら一番迷惑するのは乗客なのだからそのあたりを考えて計画してほしいものです。

 

 

コメント

  1. エコシップウオッチャー より:

    Denさまの情報収集能力と情報分析力の高さに脱帽です。

    アークテック・ヘルシンキ造船所の売却決定は、早晩同造船所自身から正式発表になるのでしょう。
    はたしてその時、ピースボート(ジャパングレイス)は、どう出るのでしょうか。
    おそらくピースボート(ジャパングレイス)は、当面はだんまりを決め込むでしょう。
    2年延期したエコシップが、建造期間の関係でもうごまかせないとなった時点で初めて、実は、アークテック・ヘルシンキ造船所がダメになってしまったためエコシップ建造は不能になったと言い訳をするつもりでしょう。
    エコシップ申込者には、とりわけ寛容なひとが多いですから、それなら仕方がないと納得するんでしょうね。

    しかし、新チャーター船計画の方は、そうは問屋が卸さないでしょう。
    エコシップのキャンセルをしないで、新チャーター船の決定を待っている申込者たちは、もういい加減しびれをきらしています。
    今月末までに新チャーター船の提示がなければ、ブチ切れるのではないでしょうか。
    いくらなんでも彼らは、2重に騙されたことになるんですからね。
    エコシップ申込者が、そこで一斉にキャンセルをかけた場合、ピースボート(ジャパングレイス)は、全額返金に応じられるのでしょうか。
    仮に全額返金できたとしても、肝心のエコシップの申込者はほとんどいなくなってしまうわけですから、エコシップは、2年延期どころかこの時点で終わりになるでしょうね。

  2. エコシップウオッチャー より:

    もうご承知のことと思いますが、ピースボート(ジャパングレイス)は、4月中に新チャーター船を決めることはできませんでした。
    2020年のオリンピック開催期間を除いた前後の時期にワールドクルージングを実施すると言ってますが、果たしてうまくゆくのでしょうか。
    4月中に新チャーター船が発表されるというので、それを見てから新チャーター船にするかキャンセルするか決めようと待機していたエコシップ申込者は、約2000名ほどいるそうですが、果たして彼らが、今後も新チャーター船が決まるまで延々と待つのでしょうか。
    今までさんざん待されてきたのですから、もうこれ以上は待てないとエコシップをキャンセルひとも多いのではないでしょうか。
    約2000名のうちの半数が一斉にキャンセルした場合、ピースボート(ジャパングレイス)は、少なくとも一挙に17~20億円ほどの返金をしなければならなくなると推測されますが、果たして出来るんでしょうかね。

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