73日目:下船後を考える

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2016年10月30日(日)
朝5時45分に起きて太極拳。それからノルディックウォーキングに参加する。いつもの一日が始まった。

最近、船にいるときは天気が悪いことが多かったので久々に晴天で暑い。
おかげで運動していても気持ちが良い。これはとても良いことだと思う。

 

運動後朝食をとるが、これだけは相変わらずのメニューで本当イヤになる。昔の流行歌で「キャベツばかりをかじってた」と言うフレーズがあるけれどまさにそのものの生活だ。サラダは体に良いけれど、他の野菜も食べたくなるこの頃だ。

それからメールが昨日送れなかったので再挑戦した。何とか送れたが1通のメールの送信と、2通のメールの受信だけで10分もかかった。
いったいどんだけ遅い回線速度だと言いたいけど、ピースボートと契約しているネット会社だから、まともな会社じゃないので諦めるしかないか。

それから部屋に戻って洗濯していたら、サルサの時間が過ぎてしまい結局サボってしまった。

何となく最近行きづらくなっていたところだから、このままずるずるとおさぼりをするかな。

 

その空いた時間で本を読んでいた。「世界で一番貧しい大統領のスピーチ」という本を読む。とっても短い絵本形式の本だけど、何かガツンと殴られたような気がした。幸せって豊かさじゃないという事を教えられたような気がする。貧乏でものんびりと自由に生きられること。それだけで、これ以上に幸せなことはないのかもしれないと思えてきた。

それからヨガに出て気分をリラックスさせる。のんびり感は本当大事だ。

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お昼を食べてから日記をつけ始める。寄港地の時には時間がなくって書けないので、溜まると後が結構大変になる。特に最近昨日のことも細かく思い出せないのでなるべく記憶がしっかりしているうちに書こうとしているけど、それでも書き進めない。本当に私の頭はポンコツだ。

 

それが終わってから一昨日出た旅大学の続きを聞きに行く。ここでも幸せの定義の話が出る。その中で自分のしたい事をやるのが大事だという話が出た。そういえば自分自身、定年まで自分のやりたい仕事をしてきたという感じをまったく持っていなかった。

だからピースボートを下りた後はしっかりと自分の行いたい仕事をしようと思っているのだけど、まだ自分に何が出来て、具体的に何をどうすればよいかなどは一切考えていなかった。

この旅もあと一月程になったのだからそういうことも真剣に考えなければ行けない時期になってきたと思うにまだ全然実行に移していない自分が本当に歯がゆい。

 

特に11月になったらほとんどが海の上なので、じっくり自分自身を見つめなおして自分自身の生き方を真剣に考え直せる時期だと思うが、現実と理想の狭間のギャップに自分自身がついて行けそうもないのでつい逃げ腰になっているのが本音だ。それでもこのまま自分の人生を終わらせるのだけは絶対に嫌だ。

 

その後、定例の航路説明会を聞きに行くが、そこで注意事項としてピースボート側からレストランでの半ズボン、サンダル履き、帽子の着用ので出入り禁止が発表された。旅もすでに3分の2も終わった今頃になって突然言い出す理由が分からなかった。確かにこういう格好はあまり品が良いとは言えないが、ピースボートでは気軽な格好で船旅が出来るのが売りの一つである。だから普段ジャージやTシャツに半パンなどのラフな格好はピースボートでは定番だった。

 

確かに規約を読むとサンダルや半スボンでのレストランの出入りは禁止事項になっているけれども、今まで一度も注意もされずに来ていただけにかなりの人から反感の声が上がった。

 

もともとがピースボートはクルーズ船などと呼べる代物ではないのに最近とにかく、命令口調で押し付けることが多い。

思想的なこともそうだが、客を客と思っていないピースボート側のこういう扱いは今後反発を感じていく人がますます増えそうだ。

 

夕食後、船内ではハロゥインパーティだそうで、若い子たちが仮装をしている。

でも個人的には何でもかんでも流行だからと言って外国のお祭りを取り入れるのは好きではないので参加もしない。

最近の日本人は自己主張が全くなく、すぐになんでもマスコミの言いなりになる傾向が大嫌いだ。

 

その為私はひとりカサブランカでお酒を飲む事にした。すると横に座っている人がレストランの禁止事項の事で文句を言っていた。その後も何人も苦情を言っている人を見かけたが、こうやってお客様をなくしていくと言う事をピースボート側は全然気が付いていないだろうな。

 

この日の夜、ベッドに入って寝つき始めた頃にドアをたたく音でたたき起こされた。一瞬何事が起ったのかと思ってしばらくベッドで様子をうかがっていたら、ドアの外で「トリックオアトリート」なんて大声で叫んでやがる。どうも若い連中がハロゥインの格好で各部屋を廻っているようだ。

 

時計を見ると11時を過ぎていた。彼等にとってはまだ遊ぶ時間なのかもしれないが、私にすれば完全に寝る時間だ。

どんな行事に出るのは個人の勝手だけど、その為に他人を巻き込むのはやめてほしい。そしてそれが迷惑になると言う事に気がつかないという知性の低さにも呆れかえる。

「ちぇ。この部屋はいないのか」という声を残して彼等は隣の部屋のドアをたたき始めた。きっと他人の迷惑などを考えずに自分達のお祭りを遂行していくのだろう。

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彼等の考え方とピースボートのスタッフの考え方が妙に頭の中で一致してしまい、不愉快な気分で頭がいっぱいになりその日は寝付けなかった。

 

自分勝手な連中が世界平和だって。笑わせてくれるわ。

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