エコシップの光と闇

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最近はこのサイトのアクセス数もぐっと減り、一時期話題になったエコシップ問題もすっかり忘れ去れてしまったかなと感じる今日この頃です。

なのでピースボートさんの話は暫くやめようかなと思ったのですが、どうしても2点、エコシップ建造に関して気にかかる事があるので、それだけは書いておこうかなと思って久々に書きました。

まず一つ目なんですが、最近エコシップを申し込みされた方宛てに延期になっているエコシップの代替え船を用意して、4月から募集するというアナウンスが流れているそうです。

その代替え船も既に3隻に絞られていて、先日とあるサイトで紹介されていましたので、見てみましたが結構良い船です。

個人的に値段がオーシャンドリーム号並みだった乗っても良いと思えるくらい魅力的でした。

ただね。どうしても引っかかる事があるんです。エコシップの造る意義ってなにかなんですが、ピースボートの公式サイトにこんな文面が載っています。

” エコシップは硫黄酸化物、窒素酸化物の排出ゼロ、汚水ゼロのクリーンシップ。さらにCO2の排出量も40%削減できます。船旅を通じて国境を越え、自然と文化にふれ、人びとと出会う。そしてかけがえのない地球の美しさを体験し、同時に地球環境の危機も直視する。エコシップでの世界一周はエコクルーズライフを楽しみながら地球のことも考えることができる、意義のある新しい船旅なのです。”

とっても良い事を書かれています。「地球環境の危機に直視するための旅」なんですよね。なのに今のオーシャンドリーム号しかり、新たにチャーターする船も重油バンバン燃やして地球環境悪化させようキャンペーンの船になっているんですよね。

2020年から2年延期されたのなら、地球環境の危機を考えて少なくともクルーズやめるぐらいの気持ちを持たなきゃ言っている事と実行している事が矛盾すると思います。

「最も地球に優しい船」と自ら言っているんですから、環境破壊に自ら協力するのはやめてほしいと思います。

やめてほしいと言えば、二つ目の言いたい事に繋がります。

ジャパングレイスがアークテック・ヘルシンキ造船所を選んだ理由として、クルーズ船を造っている実績とエコテクノロジーを積極的に取り入れている事を挙げられています。

たしかに15年ほど前までは結構有名なクルーズ船を造っています(ただし今の会社ではなく潰れる前の元の会社ですが)、LNGの砕氷船も造っていますが、肝心の事が抜けています。

100%親会社のUSC(ロシア語でOCK)はロシア国営の船会社合同企業で、主に造っているのは軍用艦です。

こんな感じのミサイル発射が可能な船や潜水艦を造っているメーカーです。ちなみに原子力船も造っています。

私の勘違いなのかもしれませんが、ピースボートって世界から紛争をなくし平和を願うための活動をしていたと思います。またICANとかいう団体で核兵器を撲滅させる運動もしていたと思います。

それなのに、なぜかミサイルも軍用船も原子力船も全部許して契約したんですね。

私なら少なくともこんな会社とは契約しないです。自分の団体の意義主張に反しているから。

こういう事を書くときっと反論されるでしょうね。USCはこの春までにアークテック・ヘルシンキ造船所を他の企業に売却する事になっているのだから、関係ないと。

でも既にジャパングレイスは契約も済んでいると言っておられるのですから、その時の契約相手は間違いなくUSCだったはずです。

こんな軍事産業、原子力船大好き会社と何故ジャパングレイスは契約したのかは、当人でなければ分りません。

その上契約した頃は、欧米からの経済制裁で資金繰りの苦しいと分っていながら行っているのですから、本当に不可解です。

ただUSCの公式サイトでひとつ気にかかるニュースを見つけました。

https://www.aoosk.ru/press-center/media-corporation/osk-zaymetsya-turizmom-vo-ldakh?sphrase_id=13749

これはジャパングレイスがアークテック・ヘルシンキ造船所とエコシップの契約をしたと報じた2日後の記事ですが、ここに何故USCと契約したのかのヒントがあるように思います。

ちなみにロシア語なので、あえて私の見解は控えておきます。

自動翻訳で読んでみて下さい。

ただ言える事はUSCはいまアークテック・ヘルシンキ造船所をお荷物としてみており、この春までに売らないと最悪の状態になるとも示唆していますので、ここでの話はお流れになったと思います。

個人的にはエコシップが出来るかどうかは分りません。造船の資金が集まったかどうかも分りません。

ただ色々な情報を集めて見直してみると、綺麗事の部分ととてもダークな部分がひどく矛盾して存在しているように思います。

目的のためには手段を選ばずという言葉がありますが、ピースボートには似合わない言葉と信じたいのですが。

コメント

  1. エコシップウオッチャー より:

    貴殿のご心配、ご主張全て同感です。
    2020年4月11日就航の不能が確定した時点で、エコシッププロジェクトは崩壊するものと思っていたのですが、ピースボート(ジャパングレイス)は、外国大型客船チャーターの代替案を出してどこまでも引っ張っていこうとしてますね。
    申込者の多くは、すぐにキャンセルするのではなく、4月まで外国大型客船チャーターの決定を待つというスタンスのようですね。
    申込者の全員が今キャンセルすれば、ジャパングレイスは返済不能に陥り、即潰れてしまうでしょうから、これで良いのではないでしょうか。
    つまり、今キャンセルをしたひとは全額の返還を受けられ、他方外国大型客船チャーターを選んだひとは、今後それに賭けてゆくということです。
    問題は、外国大型客船のチャーターが不能となった場合、あるいは料金が大幅に上がり多額の足し前を求められる場合です。
    果たしてその時点で改めてキャンセルを申し出ても全額返金を受けられるのかどうか。
    こんな心配をこれからも続けてゆくくらいなら、今すぐキャンセルした方が余程良いだろうと思いますけどね。

  2. エコシップウオッチャー より:

    アークテック・ヘルシンキ造船所の身売りは、タイムリミットがこの4月末とされています。
    他方、新チャーター船の決定と募集開始のタイムリミットもこの4月末とされています。
    ピースボート(ジャパングレス)の前に立ちはだかるふたつの関門のいずれもが、この4月末がタイムリミットというのは、単なる偶然ではないような気がします。
    Denさまが、つとにご指摘のように、アークテック・ヘルシンキ造船所の身売り問題は、これがうまくゆかず倒産するようなことがあれば、同造船所とエコシップのLOI契約を締結し、相当額の契約金を支払い済みのジャパイスングレも連鎖倒産を免れません。
    ピースボート(ジャパイスングレス)は、当然そのことを十分認識しているからこそ、エコシップの代替船である新チャーター船の決定・募集についても、同じ時期をタイムリミットに設定したのではないでしょうか。
    ところで、問題の4月末まであと10日ばかりとなりましたが、未だアークテック・ヘルシンキ造船所の身売り先が決まったとの報道はありません。
    また、同じくピースボート(ジャパングレス)から、新チャーター船が決まったとの発表もありません。
    おそらくそのいずれも4月末までには、実現しないでしょう。
    ピースボート(ジャパングレス)の提唱する新チャーター船計画を信じて今までキャンセルを控えてきたエコシップ申込者は、果たしてどうするのでしょうか。
    ピースボート(ジャパングレス)は、お得意の詭弁を弄して(エコシップ延期の理由を資金不足という真の理由を隠してSOLAS基準適合のためとごまかしたように)どこまでも時間稼ぎを図るのでしょうが、エコシップ申込者だって、そうそうお人好しではいられないと思いますが、いかがでしょうかね。

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