ピースボートが生き残るための手段は成功するのか?

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前回に引き続きこの4月以降のピースボート関係のニュースを書きたいと思います。

まず実際にピースボートを運行しているジャパングレイス関係の話ですが、4月30日にジャパングレイスはプラネットグリーンという会社と業務提携を結びました。この会社がどう言う会社というと、太陽光発電やその蓄電池を発売している会社で、ジャパングレイスが持っている顧客情報を提供してプラネットグリーンがそれを利用してセールスに利用するというものだそうです。それで売れたらジャパングレイス側に報奨金という形でお金が入る仕組みになっているそうです。

ピースボートに乗った人や乗りたいと思っている人はエコシップ等、地球環境に興味を持っている人が多いので、有望な顧客とみていた上での業務提携なのでしょうね。

ただ気になるのは私から見ると個人情報を勝手に売られたような気がしてしまうのですが、業務提携をしたら提供しても良いみたいですね。(このあたりが個人情報保護法の脆弱性ですが)

そう言えば、うちの家にもこのところ毎週のように太陽光発電買いませんか、蓄電池入れていますかという勧誘の電話が頻繁にかかってくるようになりましたが、ここの会社なのかな。(なんせ会社名を聞く前に断って切っちゃうものでよく分かりません)

とにかく、今はクルーズの収入がないジャパングレイスとしては、何とかして利益を上げなければいけないという気持ちがあるのでしょうね。

必死という事で思い出しましたが、今政府が行っている「GOTOトラベル事業」ですが、その登録業者の中にジャパングレイスも入っていました。

ジャパングレイスはピースボートオンリーの会社で国内旅行は行っていないと思っていたのですが、これからは国内旅行の企画や、宿の手配などの業務を行って収入を得ようという気持ちの表れなんでしょか。

またピースボート公式サイトのクルーズ一覧には出てこないのですが、ライブラリーを見ると「ポナン ル・ボレアル号で行く南極半島13日間」というクルーズが発売されています。

てっきりどこか外国のクルーズ会社が出しているのを代理契約して販売しているのかと思ったのですが、旅行企画・実施ジャパングレイスとなっていますので、自主運営クルーズのようです。

期間は2021年2月2日から13日間までの旅ですが、現地まで飛行機で飛ぶのにかなり時間がかかりますのでクルーズ自体は実質9日間みたいですね。

ちなみにお値段は283万から163万円までと十分世界一周クルーズに乗れるぐらいの金額です。ただ本格的な南極クルーズは最低1泊10万円と聞いたことがあるので、これぐらいはするのかな。

それにしても、実施時期がかなり微妙な時期でこれもコロナの影響で中止となれば、ジャパングレイスとしてはまた負債が増える訳ですから、どうなんでしょう。たしかに実施されればそこそこ収入があるとは思いますが。

それからジャパングレイスはまた新しいキャンペーンを始められましたね。「あんしんクルーズ変更パスポート」というもので、今まで出発90日前からかかっていた、キャンセル料が出発1週間前までかかりませんというもので、このコロナ禍のクルーズですからギリギリまでじっくり考えて下さいというものなんでしょうね。

まあそれ以上に今キャンセル数が増えることに危機を感じているのも事実でしょう。それを表しているのがこのキャンペンの後半に書いてある、もし途中でクルーズを変更した場合、預けている旅行代金に対して年3%の割引をしてくれるそうなんですね。と言うことは今仮に200万円旅行代金を預けていて、2年後のクルーズに変更すれば212万円として使えるという事なんですね。何でここまでジャパングレイスにとっては不利なキャンペーンをするというのは、利用者のことを考えていると言うより、とにかくキャンセルされたくないと言う気持ちの表れでしょう。

確かに今はほぼ収入がない状態で人件費や船のチャータ料や維持費でかなりの金額が発生するばかりで経営が苦しいのは分かります。

ただ今まで行ってきた1回の料金で2回のクルーズ出来るキャンペーンや早割からさらに20%オフキャンペーン、30%もお得になる「みらい乗船券」などを行ってきた結果。仮にこのコロナ禍をのりきれてクルーズが再開出来たとしても、この常識外れのキャンペーンを次々と行ってきた結果、それが大きな足かせになって経営を圧迫する可能性も拭えません。

またジャパングレイスはコロナ前にこの4月から船が二隻体制になる事を見越してか、かなり求人募集を行っていました。今年の2月頃ある求人情報を見ていたら社員数150名となっていました。それが今の公式サイトで見ると7月現在で100名と大幅に減っています。

それがリストラを行った結果なのか、4月以降の会社のゴタゴタに嫌気を感じて自主退社されたのかは分かりませんが、会社に見切りをつけられた方が多く出たことは事実のようです。

とにかく言える事はジャパングレイスの会社自体かなり厳しい状態であることだけは間違いないと思います。そのために今生き残るためには何でもやるという感じなのでしょうね。

その結果が批判があるけれども、ネットやテレビでもバンバン広告をうっています。実際ネット広告でアフィリエイトというのがあって、自分のサイトにピースボートの広告を載せて、もし資料請求があったら、その広告を載せたサイトに対して最大で1件800円も払っています。そこまでしても顧客を集めたいのです。

ただこの生き残り戦略が成功するかどうかは分かりません。個人的にはネガティブな気持ちしか持てません。

危機感に関してはNGO団体であるピースボート自体もかなり感じています。前回の記事でピースボートを救うためのクラウドファンディングの事を書かせてもらっていますが、ピースボート自体は今も行っています。それもNGO団体のピースボートの公式サイトで「ピースボートへのご支援のお願い」として現状の危機を訴えています。1口5万円から受け付けていて、目標はピースボート事務局の半年間分の人件費と維持費で2億円という結構膨大な金額です。これは有志が行ったクラウドファンディングの3600万円を含めた数字なのかも分かりませんし、今現在どれくらい集まったかも分かりませんが、多くのピースボートリピーターの方に支援のお願いメールや電話をかけられている現状ですので、かなり緊迫はしているのでしょう。

当然この金額はピースボート事務局だけの話で、ジャパングレイスの分は含まれていません。少なくとも非営利団体であるピースボートはまだ支援をお願い出来るでしょうが、会社組織であるジャパングレイスが支援のお願いなどをすることは出来る事ではないので、当然のことでしょうが危機的状況であることは一心同体である立場から考えて間違いがないことだと思います。

今回のこのような状況になったのは、当然コロナ禍という事が一番の原因かも知れませんが、少なくとも急激に儲けをあげようとして、実現不可能なエコシップ計画を打ち出したり、インバウンドねらいで中国や韓国に販路を広げたり、船を2隻体制にしたりとか、かなり無理なことをしてきたことも事実です。

これらはどれかが失敗すれば、会社の存続に大きな影響を与えることはコロナ禍前から分かっていたことですし、私自身かなり危惧していたことです。

仮にコロナが去ったとしても、今の経営方針でいる限りいつかは破綻が来るとしか思えないのは私だけでしょうか?

お金儲けに走るのではなく、シンプルにひとりでも気軽に乗れて、みんなでワイワイと話して楽しめる雰囲気のピースボートに戻って欲しいです。そして破綻をして多くの被害者を生まないことを祈りたいです。

 

コメント

  1. ピースボートファン より:

    今回のご主張も全くその通りであり極めて同感です。

    Denさまの卓越したピースボートに関する資料の収集能力とその正確な分析能力が長い間の休止にもかかわらずいささかも鈍ってはいなかったどころか益々明晰さを増していることに驚異を覚えるとともに心底より安心致しました。

    ピースボートの経営が早晩破綻するのではないかと危惧する識者は、世間にはむろんDenさまのみではなく数多おり、それぞれがそれぞれの方法で注意喚起の声を上げております。

    ただ傍目にはピースボートの経営が甚だ脆弱であるという現実がはっきりと見えているのに、クラウドファンディングを提唱しているようなピースボートスタッフたちには、全くそれが見えないようです。

    それはある意味彼らにとっては幸せなことでもあるでしょう。

    彼らは、純粋なひとたちを騙して大きな被害を与えているという罪悪感に駆られるどころか逆に自分たちこそ世界平和のためにピースボートを出すんだという使命感のもとに何らの躊躇もなく今もクラウドファンディングに邁進できているのですから。

    願わくは、彼らが一日でも早くこの冷厳な現実に目覚め、目下の被害拡大行為に終止符を打たれんことを!

  2. ブラッキー より:

    Denさま、本当に帰ってきていただきありがとうございます。気持ちは「ピースボートファン 」さんと全く同じです。
    ピースボートには2回乗船しましたが、2回ともJGの会社の都合(JGは約款に基づき航路変更、日程変更、費用の追加請求をしたまでと主張していますが)で、えらい目に遭いました。PBのこの船旅は、PBの趣旨や何よりもリーズナブルで乗客同士の交流ができるので、素晴らしいものだと思います。それが、JGの金儲け主義に変わってしまっているようで非常に残念です。
     PBに参加する人たちにとって、今後被害者が出ないことを本当にねがっています。
     これからも、掲載を続けてくださるようお願い申し上げますします。

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