突然ピースボートの船が変わるって!!

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昨日ピースボートリピーターさん宛に、ビックリする内容のDMが届きました。

”『ピースボートクルーズが生まれ変わります

新チャータ船による「新たな世界一周クルーズ」発表のお知らせ』”

と言うタイトルの案内が入っていて、以下の内容のようなことが書かれていました。

(すいません。全文掲載しようと思ったのですが、大人の事情で要約です)

”一昨年前からお客様の急増に対応すべく、今年4月よりオーシャンドリーム号とゼニス号の2隻体制を計画しておりましたが、新型コロナの影響により残念ながら本年のクルーズは催行中止となり、弊社といたしましては新型コロナ時代に対応した新たなクルーズスタイルを確立するために、それに相応しい客船のチャーターを検討してまいりました。

そしてこの度、新チャーター船と「新たな世界一周クルーズ」を皆様に紹介出来る運びとなりました。

バルコニーキャビンが多く、外気取り入れ型の空調設備、そして物理的距離を十分に取れる船内。そんな要件を満たした客船が、今回、チャーターが決定したパシフィック・ワールド号(7万7千トン、定員2419名、旧サン・プリンセス号)です。

2013年から日本発着クルーズに就航し、2019年に世界一周クルーズへ、2020年の東京オリンピックではホテルシップとして活躍することが決まっていた本船は、410室のバルコニー客室、4層吹き抜けのアトリウムなど、まさに「新たな世界一周クルーズ」にふさわしい大型豪華客船です。

弊社は、2021年春、本船による1隻体制での世界一周クルーズ出港に向け、これより邁進いたします。

今回の「新たな世界一周クルーズ」の発表に際し、リピーターの皆様には、先行のお申し込みと感謝価格をご用意させていただきました。

「新たな世界一周クルーズ」への皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。”

 

まあ、書きたいことは色々とあるのですが、まず船に関することです。

今回の船が現在もプリンセスクルーズに所属しているサン・プリンセスであれば、かなり良い船だと思います。

造船こそ1995年と少し古い船ですが、2018年に全面改装をしていますのでゼニス号より良い船だと言えるでしょう。

上にも書いてますが、昨年はJTBがチャーターをして世界一周クルーズを行っていますので、長距離運行も問題が無いでしょうね。

それにオリンピックの船上ホテルとして使う予定だったのも本当で、JTBが販売していたのを見てクルーズもしないのに一泊の値段が結構高いのでビックリした記憶があります。

まあ、7万7千トンというのは、今でこそ小さいというイメージがありますが、ピースボートとすればエコシップより大きな船ですからね。それに基本の定員は2000名ほどらしいので、かなりゆったりとした空間があることも想像出来ます。

あと設備もかなり充実しておりアミューズメント施設もあるし、カジノ、バー、ステーキハウスに寿司屋と普通のクルーズ船並みにそろっています。あとリドデッキ付近に野外シアターのコーナーなどもあって、リクライニングシートで寝っ転がりながら映画を見ることも出来るます。

実は個人的にJTBがチャーターしたときにかなり興味があって、説明会にも行きました。結局1人では乗れないので諦めましたが、乗りたい船の一つであるのは事実です。(その事は「JTBが世界一周クルーズ開始、ピースボートに宣戦布告か?」という記事に書きました)

と、ここまではかなり褒めています。決して悪い船ではないと思います。

ただ、ここから気になることを書かせてもらいます。まず最初に思うのは何故この時期に船が突然変更したと言うことです。

今でも、ネットやテレビのCSやBSでいまだにゼニス号の申し込みをしているのに、裏ではさっさと別のクルーズを計画して一部の人だけに情報を流すのって、なにか間違っているような気がします。

また先月全面リニューアルしたばかりの公式サイトも、何のために変更したのかも分かりません。当然クルーズ自体の体制が大幅に変わるという事は、少なくとも現場では分かっていたでしょうから、代わるという発表があるまで新規申し込みを中止にするのが普通でしょうと思っています。

上のジャパングレイスからの説明文を読む限りは2021年の春からパシフィックワールド号1隻体制でクルーズを行うと読めます。(パンフでは108回クルーズの2021年の8月からになっていますが)

また送ってこられた資料をよく読むとクルーズの再開は2021年の4月からとなっていますので、まだ発表はしていないですがジャパングレイス内部では今年の冬の106回クルーズも中止を決定しているんでしょうね。そうなるとオーシャンドリーム号とゼニス号は来年春の107回で撤退という事になるという事になるのでしょうが、この2隻では今ジャパングレイスが目指しているコロナ対策が完全に出来ないでしょうから、このクルーズも中止か船を変えるつもりなんでしょうね。

特にゼニス号は結局一回も出港しないうちに引退という可能性大になってきたと言うべきでしょう。せっかく手間暇かけて船内外をピースボート仕様に改修したのに、チャーター料と改修費を払っただけの大赤字でしょうね。

 

個人的には、この時期に船を変更した一番の理由は前にも書きましたが、オーシャンドリーム号やゼニス号をチャーターしている会社が6月に破産したことが原因ではないかなと思います。

結局債権者に船を引き渡さなければ行けなくなったのではないでしょうか。

次に今現在予約している人達はどうなるのかが気になります。少なくとも来年以降のクルーズを申し込みされている方はかなりおられると思いますが、その方達はどうするつもりなんでしょうね。

そのまま新しいパシフィックワールド号に乗れるのでしょうか? でもゼニス号とオーシャンドリーム号では旅行代金自体がかなり違います。また今回の船はコロナ対策の一環だと思いますが、原則2人部屋か1人部屋となっています。それじゃ一番安い4人部屋のフレンドリータイプを予約した人達は差額料金を払わされるのでしょうか? それともそのまま新しい船の2人部屋になるのでしょうか?(ちなみに窓側の部屋の75%以上はバルコニー付きの部屋になるので、それにグレードアップする方としない方でまたもめるでしょうね)

個人的には、どちらもないかなと思ってしまいます。少なくとも値段の差がかなりありすぎて、高いお金を払って乗っている方から文句が出るでしょうから。だからと言って高い方には差額分を返金することも考えられません。また今後パシフィックワールド号を申し込もうと思っている人達にすれば、もっとも高いお金を払わなければいけないことになりますから、納得出来ないでしょう。

結局今申し込んでいる人は、一旦キャンセルではなくって、ジャパングレイスが今売り込みに必死になっている、「みらい乗船券」を渡してもう一度再申し込みとなるような気がします。これであれば元の金額の30%増しとして使えるので、どんな申し込みをしている人も納得するではないでしょうか。

ちなみに今回の正規料金は、船が船ですのでそれなりに高いです。正規料金で見るとほぼゼニス号と合わせています。また今回リピーターの方のみ特別料金を設定しています。これでいけば最高正規料金の半額近い値段になります。

ちょっと料金表の一部を載せますと

2人用 バルコニー付正規350万 特別185万  エコノミー正規228万  特別150万

1人用 バルコニー付正規630万 特別314.5万  エコノミー正規410.4万 特別270万

とこんな感じで、それでも高いと思う人には高いかなという金額です。

ちなみに正規の早割は特別料金から,2,3割高いです。

そのため、この新しい船のクルーズを正式申し込みになった時点で、申し込んだ人は早割料金になっていると思いますので結構高い値段になっていると思います。

もっともそれ以前にこの時期、突然船も値段が変わること自体にかなり不信感を感じる人も多いでしょうし、ジャパングレイスもかなり将来が分からない状態になっていますから、今申し込んでいるからとかリピーターの人だから得をしたとは決して言えないのが現状です。

最後に何故サン・プリンセス号に乗り換えたのかと言えば、これも推測でしかないのですが、親会社のプリンセスクルーズはダイヤモンドプリンセス問題以降も、懲りずに他の船でコロナのクラスター感染を起こして、かなり経営が苦しい状態になっています。そのため日本事務所のスタッフの大量解雇でトラブルを起こしているような状態ですから、今は少しでも会社の負担を減らしたかったので古い船は切り捨てたかったというのが本音でしょうかね。そこに船が見つからないジャパングレイスとの思惑があったというところでしょうかね。

この突然のチャーター船の変更も、いつまで続く話か分かりません。今回発表された108,110,111回クルーズ(109回クルーズは何故か欠番です)以外はどうなるのか分かりません。

また今現在2023年まで申し込みをしていますが、それらのクルーズ自体がどうなるのかも分かりませんし、エコシップに関しては今回も全く触れていませんので、2022年以降どうするつもりなのか、どう言う体制でクルーズを行っていくのか全く見えません。

ただただ、とにかくお金を何とか集めたいという気持ちだけをひどく感じるのは私だけでしょうか?

ジャパングレイスさんの経営状態が悪いことは、リピーターやクルーズフアンの方はよく知っていると思いますので、中途半端な言い訳をするのではなく正直な現状を説明して、みなさんから援助を求めるのも一つの方法かなと思います。

少なくとも真剣にピースボートを応援している人もかなりいることも事実なのですから。

コメント

  1. ピースボートを応援する高齢夫婦より より:

    とても分かり易いご説明ありがとうございました。ピースボートにとっても大きな賭けになるかもしれませんが、ここを乗り切れれば新たな展望が開けそうで楽しみです。
     昨年オーシャン・ドリーム号がニューヨークに寄港した時、同じ桟橋の反対側に停泊していた船がサン・プリンセス号でした。桟橋の休憩所で同年代のサン・プリンセス号乗船者と少しお話する機会がありました。そのご夫婦はオーシャン・ドリーム号にも乗船されたことがあり
    両船を比較したお話を聞くことができました。
     船内での設備環境はサン・プリンセス号のほうが良いが、食事は白米が不味く、寿司は食べられない、日本食が少なく飽きがきている。ステーキの肉は美味しいのだが、高価でけっこうな出費になる。盛り上げてくれる若い人がいないので淡々とした毎日です、とおっしゃつていました。また、オーシャン・ドリーム号の波平を懐かしがっておられました。
     パシフィック・ワールド号が旧サン・プリンセス号の調理クルーを引き継ぐならこの期間を利用して日本食のイロハを学んでほしいですね。
     この厳しい感染症の状況を克服して、ピースボート・パシフィック・ワールド号は捨てるものは捨て、残すものは残して、新たな時代に船出してくれることを心から願い、2023年を楽しみに待っています。
     

  2. 花カッパ より:

    Denさん、貴重な情報をありがとうございます。

    現在の2隻を手放さなければならない理由は、
    Denさんの「債権者に手渡さなければならなくなったため」が当たっている気がします。
    古いオーシャンドリーム号はともかく、
    一回もピースボートとして運航されなかったゼニス号がかわいそう…。
    (以前、返金トラブルに巻き込まれた知人がゼニス号の第2回クルーズに乗る予定でした)

    いずれにせよ、自分もピースボートの活動自体は応援しているので、
    これまでの目的を大切に、ただの世界一周クルーズにならないことを祈ります。

    あとはエコシップの建造中止をいつ、どのように公表するかでしょうね。
    また新しい情報があったら、教えてください。

  3. ピースボートファン より:

    Denさまのいつもながら迅速にして丁寧かつ正確な分析には驚くほどです。
    貴重な情報と精緻な分析を本当に有難うございます。

    私もピースボート(ピースボート仲間)を愛することでは、Denさま、ピースボートを応援する高齢者夫婦さま、そして花カッパさまと全く同様です。

    ピースボートの将来を占う上で肝心なことは、花カッパさまがご指摘のようにピースボートがエコシップの建造中止をいつどのように公表するかということに尽きると思います。

    思えば当初のエコシップの完成予定(2020年4月)があと1年3か月に迫った2019年1月中旬、ピースボートと株式会社ジャパングレイスは、突如としてエコシップの2年延期を公表したのでした。

    実は、私はその前年の2018年7月ころから、ピースボートと株式会社ジャパングレイスに対し、エコシップを申込んでいる多くの仲間に頼まれて公開質問状などをもってエコシップ建造の進捗状況について繰り返し説明を求めておりました。

    これに対し株式会社ジャパングレイスは、最終的に2018年12月、同社社長K氏名義の文書をもって、「エコシップは、目下アークテック・ヘルシンキ造船所において順調に建造中であり就航予定日(2020年4月11日)には必ず間に合うのでご安心あれ。」との回答を寄せたのです。

    ところが、ピースボートと株式会社ジャパングレイスは、上記のようにその後1月も経たないうちにエコシップの2年延期を世間に公表したのです。

    もって、そのひと月前の同社社長K氏名義の文書回答は、真っ赤なウソであったことが明らかになったのです。

    その延期の理由は、SOLAS2020の安全基準に適合させるためということでしたが、それは単なる方便に過ぎず、実際には570億円という莫大な建造資金の調達が出来ずアークテック・ヘルシンキ造船所との間で造船契約すら結ぶことが出来なかったからに他ならないのです。

    株式会社ジャパングレイスは、未だ建造資金の調達が出来てはいないし、アークテック・ヘルシンキ造船所も去年5月に倒産してしまいエコシップの建造能力を喪失してしまいました。

    よって、エコシップが2年延期後の2022年4月に完成する可能性は全くないのです。
    それにもかかわらず、ピースボートおよび株式会社ジャパングレイスは、今なおエコシップクルージングの宣伝と募集をせっせと続けているのです。

    エコシップは、前回延期の時期に照らせば、次も遅くても就航予定日(2022年4月)の1年3か月程度前までには、完成不能を世間に公表しなければならないでしょう。

    そうするとピースボートおよび株式会社ジャパングレイスが、エコシップ完成不能を世間に公表するタイムリミットは、来年(2021年)1月となります。

    ピースボートおよび株式会社ジャパングレイスが、来年(2021年)1月までにエコシップの完成不能を世間に公表した場合、約2000名ほどいるであろうと言われているエコシップ申込者は、当然一斉に申込金の返還を求めることになるでしょう。

    その総額は、ひとり平均200万円としても約40億円にも上りますから、ピースボートおよび株式会社ジャパングレイスが返金不能に陥ることは火を見るより明らかです。

    株式会社ジャパングレイスは、この他に既に取消しになったオーシャンドリーム号およびゼニス号クルージングの返金債務を数十億円かかえているわけですから、株式会社ジャパングレイスはこれを機に決定的に経営破綻をきたすことになるでしょう。

    そうなれば、その後に予定されているパシフィックワールド号クルージングを実施することなどどう転んだって出来るわけがないのです。

    親愛なる「ピースボートを応援する高齢夫婦さま」は、2023年のパシフィックワールド号にお乗りになりたいそうですが、申込金の前払には十分なご覚悟(返金不能)をもってなされるようご忠告申し上げます。

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