先日ある申請書を手書きで出す必要がありました。
かなりの文章を書かなくてはいけなくって、まる二日間悪戦苦闘して書き上げたのですが、本当疲れました。
考えたら、この30年ほど手書きで文章を書く事なんてほとんどなかったです。
私の場合は仕事がシステムエンジニアだったため、かなり早くから書類はパソコンなどのコンピューターで書くことが多かった事もあり、今回の文章で書くという事が逆に新鮮に感じました。
ただ、かなり驚くこともありました。まず文章が浮かんでこない。パソコンやスマホで書く時はとにかく思いついた事を書き初めて、後で見直しておかしかったら修正という事を行っていますが、手書きではそうも行かない。とにかくきちんとした文章を頭の中で描いて書き始めなければ行けません。
特にボールペンや万年筆で書くような提出書類の場合は書き直しが利かないので大変です。
次に気がついたのは、漢字が書けないこと。
それも、難しい漢字ではなく、小学校、中学校で習ったはずの漢字が思い出せないのです。
それで、仕方がなく、スマホで漢字を調べて書いたりするという結果になる。(苦笑)
最後に一番ショックだったのは、とにかく書くのがひどく遅いことです。
わずか、500文字程度の文章を書くのに2時間ぐらいかかってしまいました。
こんな事を書くと意外とオーバーな話を書いているんじゃないかと思われるかも知れませんが、スマホやパソコンがセカンドライフ世代にも浸透している現在、私と同じ状態になっている人が結構多いと思います。
私の学生時代は、まだパソコンもスマホもない超アナログ時代ですから、学校に提出するものは全て手書きでした。
仕事を始めた頃も、仕様書や申請書なども当然手書きでした。これらは鉛筆で書けないから当然ペン書きになるので、修正が出来なかったのに、それほど苦になっていませんでした。(確かに修正液というものがあって、一文字程度なら書き直しは出来ましたが、1行追加などは無理でした)
私自身、漢字がそれほど得意というわけでもなかったけれども、辞書を引くこともなく普通に文章を書いていました。
それが、90年代頃になると仕事の文章はパソコンで作るのが当たり前になり、21世紀になると普段の生活の中の文章も携帯やスマホというように手で書かなくなってしまいました。
確かに便利で、速く書けて、漢字も自動的に変換してくれて、修正も簡単にできるのでこれほど便利なものはなかったです。
でも、その結果、今まで当たり前に出来ていたことをやらなくなってしまった。
その結果、今はかなり文章力、文字を書くという技量、漢字を覚えている数などが確実に衰えてしまっていると感じます。
確かに、文章はパソコンでも、スマホでも書けますが、一字一句書いていく文章と比べると自分自身書いた内容も、文章力のアップも手書きに軍配が上がります。
それで、最近はこれは少しまずいのではないかと真剣に思えてきて、慌てて万年筆を持ち、ぼちぼちと文章を書くことに挑戦しております。まるで気分は小学生に戻った感覚です。
現在はまだ、すんなりと書くことが思いつかい状態のために、新聞のコラム欄や、ショートエッセイなどを写して書いているような状態で、手書きの入門の入門というレベル程度ですが、それでも文章がしっかりと頭に入っていくのを感じています。
よく、頭の衰えは手を使わなくなることから来るといいます。確かにパソコンやスマホでも手を使いますが、じっくり字を書くことに比べて脳への刺激率はかなり低いと思います。
また書きながら、次に書くことをじっくり考えながら進めていくことは、かなり脳の鍛錬にもなります。書くことと、考えることという二つの処理を同時に行っているので、これはかなりの脳トレーニングになるでしょうね。
最初は、私のように時間がかかる方もおられるかも知れませんが、毎日少しずつ繰り返し文章を書くことで、書く速度も速くなり文章をまとめる力もついてくると考えられます。
とりあえず、日記でも良いのでノート一頁分ぐらいを目標に書いてみるのが良いのではないかなと思います。
慣れてきたら、自分の考えや、今の時事ニュースに関して自分なりの分析や感想なども書いていって、考えることを習慣付ける事が出来るようになったらかなりのレベルアップでしょう。
とにかく一番、ダメなことは、スマホやパソコンでSNSに、「だるい」「めんどくさい」「かねほしい」など、本能のままの単語程度の文章を書くこと。これでは頭はずっとぼ~~としたままで、どんどん痴呆になっていくだけです。
手を使うこと、文章を考えること、漢字をしっかり覚えること、これらを実行するだけでもかなり脳は使うことになります。
あと、心を込めて丁寧に字を書く習慣をつけると意外と字も綺麗に書けるようになるそうです。私などは悪筆の代表なので、とにかく美文字が書けるようになるためにもしっかり文章を手書きしていきたいですね。
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