ピースボートと愛犬

この記事は約5分で読めます。

ピースボートに乗る時、私には一つの心配事がありました。

 

それは愛犬の容体のこと。船に乗る時点で16歳を超える老犬だったので、私が104日間の船旅に行っている間、元気にいることが出来るかどうかが一番の心配事でした。

 

その為船から送るメールのほとんどは愛犬の様子を確認する内容でした。でも現実は厳しいもので、私がピースボートに乗ってすぐに食欲不振におちいり、そのうえひどい下痢の症状に悩まされてしまい。連日のように病院通いをしておりました。

 

その為、イタリアのチビタベッキアで私は一時離脱をしてうちの奥さんと合流することになっていたのですが、それも難しい状況でありました。

 

ところが愛犬がその事を知っているように合流する10日ほど前から急激に体力が回復して、無事に愛犬を実家にあずけ合流することが出来ました。

 

でも奥さんが日本に帰ってしばらくすると、また下痢がひどくなり結局病院で精密検査を受けることになりました。しかし根本的な原因は分らずじまいでした。さらに最悪なことに肝臓に大きな腫瘍があることが分かり、早急に手術を進められました。

 

その間何度か奥さんとメールでやりとりをして、結局手術をしないという方法を選びました。

 

それは手術をしても治る可能性が低いと言う事と、肝臓という場所の手術であることと、かなりの高齢犬であることなどから手術に耐えられない可能性が高いと言う事を考えてあえて、天命を全うさせてあげるのが一番だと思い、結局何もしないという事にしました。

それが正解だったかどうかは自信はありませんでしたが、私個人としては愛犬を無理に苦しませてやりたくなかったことが本音です。

 

この時点で私が日本に帰るまでまだ70日ほどの期間があったので、毎日今日も愛犬が無事に過ごせたかどうかばかりを考えていました。

 

でも私にくるメールには愛犬の食欲がますますなくなってきていること。足腰が弱り散歩も満足に出来なくなってきていること。など辛い内容が続きました。

 

それでもとにかく私が帰るまでは無事でいてほしい、元気で生きていてほしいと思って毎日、持ってきていた愛犬の写真を前にお祈りしていました。

 

その気持ちが天に通じたのか、愛犬は何度か危ない状態にはなりましたが、私がピースボートを下りる日まで何とか元気にいてくれました。

 

私が船を去るとき、とにかく愛犬に会いたいという気持ちが一番強かった。

そして一刻も側にいてやりたいという思いだけでした。

P1120234

 

 

家に帰ると、意外にも愛犬はとても元気でした。

見た目は私がピースボートに乗る前より元気なように見えました。

 

そして家に帰ってからは愛犬と一日中付き合ってやりました。今まで寂しい思いをさせた分を取り戻すように、毎日毎日ずっと一緒にいました。寝る時も一緒でした。

 

肝臓が悪いと言っても、今の様子を見ている限りはまだまだ元気に生きるという気力でいっぱいのようでした。

 

私が帰ってからは、あまりなかった食欲もかなり戻り、これで元気になると私も私の奥さんも信じていました。

 

でも幸せな日は長く続きませんでした。

 

私が帰ってきて10日目の夕方の散歩に行った時です。突然道ばたで座り込んでしまい、そこから全く歩けなくなってしまいました。

 

そこからはほぼ寝たきりの生活になってしまいました。食欲も急激になくなり一日中看病の生活が始まりました。

 

結局愛犬はピースボートから帰ってきた私に心配させないために、最後まで無理をして元気なふりをしてくれていたのでしょうね。

 

それからは流動食を与え、下の世話をして、夜中もほぼ寝ずに愛犬の看病に没頭しました。

 

その頃から後2週間ほどに迫った正月まではとにかく過ごさせてやりたいという気持ちで必死で看病をしました。

 

また病院でもできる限りの治療をしてもらい、何とか正月の3が日を越せました。

 

その日の夜に病院に連れて行き診察をしてもらうと、まだまだ気力があるから大丈夫だろうと言われて、ホッとして帰りました。

 

こうなったら17歳の誕生日まであと3ヶ月なのでそこまで頑張ろうとうちの奥さんと話していました。

 

でも残酷な時はあっという間に来ました。翌4日の昼過ぎ、愛犬の新しい布団を買いに行っているほんの短い時間に愛犬はひっそりと天国に行ってしまいました。

 

それからは頭の中はパニックでした。でもちゃんと葬ってやらなければいけないので、動物霊園に連絡をして、5日にお葬式を上げました。

 

ちゃんとヒノキの棺に入れて、六文銭と守り刀も持たせてたぶん私の葬式より豪華なくらい出来るだけの事をしてやりました。

 

火葬が終わって白い骨になった愛犬と対面した時は涙が止まりませんでした。子供のいない。我が家にとっては愛犬は我が子以上でした。

 

それから二ヶ月間は正直言って何も出来ずに毎日を過ごしていました。

 

三月の声を聞く頃からやっと動けるようになりましたが、今も愛犬のことを思い出すと涙が出てきます。

 

でも愛犬はいつまでもめそめそしている飼い主の事を嬉しく思っていないでしょうね。天国からお前もっとしっかりしろと言ってきているような気がします。だから出来るだけ頑張って愛犬の分以上に人生を楽しんで生きなければと思っています。

 

もうすぐお盆になります。愛犬にとっては初盆なのでちゃんと迎えてあげようと思っています。そして夢の中で一緒に散歩でもしようかなと思っています。

 

 

P1010240

我が家に来た日の愛犬

 

CIMG8036

16歳になったばかりの頃の愛犬

コメント

タイトルとURLをコピーしました