ゼニス号4月出航出来るの? 中華系戦略の落とし穴

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3年前にピースボートに乗った時に知り合った船友がピースボートで2回目の世界一周を先日してきて、前回の旅と変わっていた点を聞いてみた。

その返事の中で一番興味深かったのは、乗っている客層の大幅な変化があったこと。

とにかく中華系の乗客がかかり増えていたそうです。全体の3割から4割が日本人以外で食事も中華系が多くなり、カルチャー教室などのイベントや、講演なども必ずのように中国語の通訳がついていたそうです。

中でも一番ビックリしたのは彼等の旅行代金の安さだったそうです。日本人と比べると3割ほど安かったらしくって100万円以下で乗っている人もかなり多く、それを知った日本人の乗客がスタッフにクレームをつけに行ったとか。

まあ、ピースボートも日本人乗客だけではなかなか維持出来ないのは現状的に仕方がないので、中華系に販路を広げているというのが現状なんだろうなと思います。

そう言えば、3年前に乗った時に台湾やシンガポールで何故か現地の人向けの船内見学会を行っていましたが、それが布石だったのでしょうね。

そこでピースボートがどれだけ中華系に力を入れているのかをちょっとネットを調べてみたところ、ピースボートの公式中国語サイトを見つけました。

ピースボート中国向けサイトはここ

 

とっても中国ぽい作りですが、しっかりゼニス号が全面に出てます。PEACE BOATのロゴも入っていますね。

このサイトではゼニス号のみ紹介しており、クルーズも日本では6回まで発表されていますが、3回のみとなっていてちょっと情報が遅いかなという感じです。

 

船内の様子ですが、なんとなく中国人スタッフと中華料理満載のレストランの風景が乗っています。

まだピースボートしての公開をしていないので、一体何時の写真かなと思ったら1917という文字があるので、3年前の写真ですね。

写っていませんが、下の文章では中国人スタッフが常駐していることや、船内新聞や、資料なども中国語で用意されていることが書かれています。

またツアーにも中国人通訳付きだそうです。

 

ゼニス号第1回の航路図ですが、世界一周航路ではなく、中国の温州から横浜までの日程で本来の101日間の日程より4日短い97日となっています。その分料金が安いという事なんでしょうかね。

 

料金表です。一番安い4人部屋で79,900元(日本円で1,286,390円)と日本の早期割引の 1,404,00円より安いです。ちなみに中国サイトの値段は定価のようで実際はこれよりかなり安いと思われます。

あと説明会などを中国各地で行っていたりとかなり勧誘に力を入れているようですので、その成果が最近のピースボート乗船率のアップに繋がって、2020年からはいよいよ2隻体制で始める気になったのかも知れません。

ジャパングレイスとしては夢はアジア制覇でピースボートをもっと増やそうと思っていたのでしょうね。

ただここで、大変なことが起こってしまいました。

そう、今問題になっている武漢発症の新型コロナウイルスです。

今日現在ニュースを見る限り感染は拡大の一途をたどっているばかりで、全く収拾の気配さえ感じません。

そのうえ、現在中国では旅行社を通しての海外旅行を中止しており、その中にはクルーズも含まれており、実際中国発のクルーズ船もかなり運行中止になっているそうです。

ピースボートはいくら日本出航といっても、途中中国から数百人単位の団体を乗せるとなると当然運行中止対象になる可能性がかなり高いと言えます。

たしかに現在ピースボートは12月にミドルクルーズとしてオセアニア航路を廻っており、その後は3月からアジア地域のショートクルーズを得て、4月からオーシャンドリーム号とゼニス号の2隻体制になるのですが、その頃までに新型コロナウイルスの終息宣言が出るかどうかはかなり難しいです。実際SARSの時も終息宣言が出るまで半年ほどかかりました。

また仮に中国から渡航制限が解除されたとしても、今度は日本人乗客の方が素直な気持ちでクルーズが出来るでしょうか?

個人的にはすでにキャンセル料がかかる時期になっていますが、かなりの人がキャンセルを考えているのではないかと思います。

ピースボートに乗る多くの人は60代以上です。感染するリスクが高い年齢です。

そのうえ、万が一感染したとしても船の医療室では充分な治療も隔離も出来ません。なんと言ってもレントゲン写真1枚撮れない医療室ですから、転んで捻挫なのか骨折なのかも判断出来ないレベルです。

新型コロナウイルスにかかっても出来る唯一の手段は解熱剤を飲ますぐらいの治療で船内で感染は広がるでしょうね。

私が乗った時も単なる風邪(インフルエンザではない)が猛威を振るい、乗っている方の半分ぐらいが感染しました。船は一種の閉鎖空間ですから広がるのが早いです。

ジャパングレイス自体、最近あまり景気が良くないようですが無理をして船の運航を行い多数の死者や感染者を出さないことを願います。

少なくとも利益優先より、人命優先で考えてほしいものです。

コメント

  1. ZENITH号ウオッチャー より:

    Denさまの上記論説に同感です。

    全ての元凶はエコシップにあると思います。

    ピスボート(ジャパングレイス)が、ZENITH号クルージングを行うのは、2020年4月8日就航予定のエコシップ計画がとん挫したからです。
    ピスボート(ジャパングレイス)は、2015年10月から、エコシップクルージングの参加申込みを募集し、多数の申込者から申込金の前払を受けました。

    そうしてピスボート(ジャパングレイス)が集めた金高は、文春報道によれば60億円程度に上るだろうといわれています。
    ピースボート(ジャパングレイス)は、2018年暮れのぎりぎりまでエコシップは2020年4月までには必ず完成すると言い張ってきましたが、それからひと月も経たない翌年(2019年)1月中旬に突如として、エコシップの2020年4月就航の不能と完成時期の2年延期を発表したのです。
    そして、実はエコシップは、申込募集開始後4年も経っているのに建造着手どころか造船契約すら出来てはいなかったことが明らかになったのです。

    この時ピースボート(ジャパングレイス)は、併せて2020年4月にはエコシップの代替船を出すと発表したのですが、これはエコシップ申込の一斉キャンセルを防止するために他ならないでしょう。

    ピスボート(ジャパングレイス)は、OCEANDREAM号を引続き運行することにしていましたから、2020年4月以降は、必然的にエコシップの代替船(後にZENITH号に決定)とOCEANDREAM号の2艘体制を取らざるを得なくなったのです。

    OCEANDREAM号は船歴39年の超老朽船ですが、ZENITH号も船歴28年で結構な老朽船であり、いずれも集客力が高いとはいえないですから、誰もがOCEANDREAM号とZENITH号の2艘体制で果たしてやっていけるのかと疑問を抱いたことでしょう。

    ZENITH号を運行するためには、プルマンツール社に対する船舶代金もしくはリース保証料、造船所に対するスクラバー設置工事費用およびピースボート仕様への改装費だけでも数十億円を要するでしょう。
    その他OCEANDREAM号とZENITH号の両船を運行するためには、両船にかかるリース料(リース方式ならば)、係留費、運河通行料、クルー人件費、資材費、燃料代などに莫大な費用がかかります。

    今や世界的規模に拡大した新型コロナウイルス肺炎騒動は、これから半年経っても収束しない恐れがあります。
    この4月8日、9日に横浜港を出港予定の両船の参加申込予約者からキャンセルが相次いでいるそうですが、もし無理を押してでも両船の運行を強行すれば、その後の資金繰りが極めて厳しくなり早晩破綻に瀕することになるのではないでしょうか。

    なお、ZENITH号は、Cruise Mapperで追跡したところ、今月10日ころカナリア諸島を離れ地中海のMALTA島に寄港し、そこで一週間ほど停泊した後、去る24日にはギリシャのアテネ郊外のPerama港に寄港して現在まで同港に停泊を続けています。

    同港にいくつかある造船所はいずれも中規模以下で、ZENITH号のような大型クルーズ船の修理には適さないようなので、大改修のためではなく別の応急的な小修理のために停泊しているのかも知れません。

  2. 過去乗船者 より:

    自分は2年前にピースボートクルーズに乗船経験があるのですが、やはり医療室等の設備が完璧ではないことが気がかりです。

    自分が乗船した世界一周クルーズは看護師が2人交代で乗船していました。医者は1人でした。かなり小さな医療室での対応となりますし、何より今のピースボートは中国人の参加者がかなり多いことが不安です。

    2020年のクルーズは中国に寄港することが決まっていて、老朽船を使用していたり過去にも色々と問題が起きていたピースボートのクルーズは今年に関してはかなり危険だと思います。ピースボートは緊急時に対応しきれる団体ではないと思います。
    とても参考になる記事をありがとうございます。

  3. ZENITH号ウオッチャー より:

    Denさまが予見されたとおりになっています。

    本日、ZENITH号第1回クルーズを申し込んでいる友人のところに、ピースボートから葉書にて「温州寄港は、外務省の指導により取り消しになりました。代替地については追ってお知らせします。」との連絡があったそうです。
    温州は、とっくに都市閉鎖されていますから、当然というより遅かったくらいですね。

    問題は、数百名に上るとみられる中国人客のほとんどからキャンセルを食った場合、ピースボートには返金する金がないだろうということです。

    さればといって、この状況の下では、日本人客をこれ以上増やすことも難しいでしょう。
    それどころか、600名と称される最少催行人員すら満たせず、催行取り止めになる恐れもグンと高くなりましたね。

    これもエコシップという絵空事を打ち上げて、善良な申込者から大金を召し上げようと目論んだ罰とも言えますね。

  4. ZENITH号ウオッチャー より:

    いよいよDenさまの予言が的中してきましたね。
    お見事です。

    OceanDream号は、15日の横浜では厳しい検疫を受けるものの何とか下船は認められるでしょうね。
    もし、万一にでもダイヤモンドプリンセスのように2週間も留め置かれることになったら、ピースボート(ジャパングレイス)は、すぐに経営破綻に追い込まれるでしょう。

    ところで、今朝、信頼しているあるピースボート仲間から、次のようなメールをもらいました。
    「今日、J/Gより、エコシップのクルーズの分厚いパンフが送られてきました。3月27日締め切りの早割りの案内で、返信封筒が入ってます。船は、奥の太陽光パネルが、空中浮揚しているやつです。昨年の文春記事なんて、吹っ飛ばす勢いです。 アア・・・。」という内容です。
    諸般の事情に照らしてエコシップが完成する見込みは全くないのですから、これはれっきとした詐欺行為に当たります。
    ジャパングレイスが、今の状況の下でこのようなことをするのは、余程目下の資金繰りに切羽詰まっているからに違いありません。
    今でも2年延期後のエコシップ完成を信じて申込をキャンセルしないで待っているひとが2000名ほどいるらしいです。
    しかし、その人達だって、さすがにここまでくればエコシップをキャンセルせざるを得なくなるでしょうが、問題は、果たしてジャパングレイスに返金能力があるかどうかですね。

  5. ZENITH号ウオッチャー より:

    ピースボートは、何もかもDenさまの予言通りに悪い方悪い方へと進んでいますね。

    ピースボートは、第104回クルーズについてはすでに新規募集を止めたものの
    第105回以降のクルーズについては、今でも新規募集を続けています。

    OCEANDREAM号が廃船と決まったのなら、第104回クルーズのみならずそれ以降の
    クルーズについても全ての募集・宣伝を直ちに止めるべきでしょう。

    ピースボートが速やかにそのようにしないのは、この度のダイヤモンド・プリンセス号
    やウエステンダム号の惨状を目の当たりにして豪華客船の旅といえども非常に危険な要
    素を孕んでいると知ったひとびとから、第104回クルーズのみならず第105回以降
    のクルーズ申込の一斉キャンセルを食らい、申込金の即時返還要求をされることを恐
    れてのことではないでしょうか。

    当然のことながら、このところZENITH号第1回クルーズないし第3回クルーズからも
    上記同様の理由から少なからざるキャンセルが出ているようです。
    また、これまで2年延期後のエコシップ完成を待っていた申込者らからもキャンセルが
    相次いているようです。

    ピスボート(ジャパングレイス)には、これらの返金要求全てに応えるだけの資金力
    はないのではないでしょうか。

    それ以前に、プルマンツール社へ対しては、ZENITH号の譲受代金もしくはリース代金
    の支払い、他方PERAMAの造船所に対しては改修費の支払をしなければ、ZENITH号を
    出航日(4月8日)までに横浜に回航してくることもできないでしょう。

    遅くとも来月(3月)の末までには、ピスボート(ジャパングレイス)の運命が決まり
    そうですね。

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