久々の更新です。
先日ピースボート事務局に資料請求したら、一緒にちょっと変わったパンフレットが入っておりました。
「早得ぷらす」というサービスです。
何だろうと思って早速読んでみましたところ。
ピースボートに早期予約をした人向けのパンフレットで、ジャパングレイスにお金を預けると年利3%をつけて、クルーズ出発後にお返ししますと言う事が書いてありました。
もっともそう書くと出資法違反になる可能性があるので、ズバリとは書いていないのですが、
ようはクルーズ申し込み以降、オプショナルツアーや海外保険、諸経費などをその都度払うことなく、預けたお金から自動的に引き落としてくれる制度だとか。
その特典として、預けたお金の残高に年3%の「早得プラスポイント」を付与して、Ⅰポイント=1円の旅行代金割引に使えるとのこと。(ポイント制度とごまかしているような)
例として
出発の1年前に100万を預けて
6ヶ月前にオプショナルツアーの代金50万払って
2ヶ月前に海外旅行保険に8万払って
50日前に諸経費12万払ったら
本来なら残高は30万円ですが、ポイントがついて321715円返ってくるそうです。
なんと21715円お得なんですね。(返ってくるのはポイントではなくお金なんですよね)
こう書くとちょっとお得なサービスかなと思うかも知れませんが、実はかなりお得な制度なんですね。
まず預けられる金額の限度がない。Ⅰ千万でもⅠ億でも良いんです。
一応、100万円か、50万円を一口単位として申し込みとなっていますが、いくら申し込んでも良いのですよね。
次に返ってくるポイントは現金で返ってくるので実質年利3%の金利です。
上記の計算から見ると単純な単利ではなく複利のようなので、2年先の出航分を早期予約するとなんと6%以上の金利が返ってきます。こんな優秀な金融商品はなかなかないです。
例えば3千万円2年間預けたら、クルーズ出港時には180万円からの利息が貰えるという事になり、上手くいけばクルーズの旅行代金自体がチャラになる可能性もあります。(ちなみにポイントの限度額があって、その他の割引を除いた旅行代金が上限となりますと書いてあります)
そうそう、ちなみにクルーズ自体をキャンセルした場合、途中でお金を返して欲しいと言った場合はポイントは一切つかないそうです。(ちゃんとキャンセルさせないように考えておられる)
こうゆう風に書くと、現実的にそんな大金預ける奴なんていないだろうと思われますが、個人的にはいるような気がかなりします。
例えば熱心なピースボートリピーターさん達。なんせ10回、20回とピースボートに乗っていて、殆ど船に定住しているような人達ですから、ピースボートのやることは疑われません。実際私が知っているだけでも10人ぐらいいますから、少なくとも日本中には数百人、数千人はいると思います。
そんな、もう狂信的なピースボートフアンの方々ですから、こんな美味しい話乗らなきゃ損だなと既に申し込んでいる人もかなりいると思います。
仮にこんな方が100人いて、一人2千万円預けたら、それだけで20億という大金がジャパングレイスに入るんですよね。これって凄い事です。
もう一つはお金にとても興味を持っている人でピースボート初心者の人達。
なんせ、この低金利時代に年利3%の利息を確約してくれる金融機関など皆無なのに、弱体企業であるジャパングレイスがそれを保証しているんですからまさに脅威です。
ピースボートに乗る多くの人は会社を定年退職してから乗る人パターンだと思います。
その為結構多額の退職金を持っている方も多いです。そんな方はその退職金をいかに運用しようかと考えていると思いますが、そんな時に年利3%確約という話があれば、つい申し込んでしまう可能性が、かかり高いと思います。
上手くいけば、世界一周のクルーズに乗れて、返ってくればかなりの利息が入ってくるなんてとてもいい話と思えてきます。
でもちょっと待って下さい。
で、ここからが本題です。ここまで読んでとても儲かる話だと感心した方には悪いのですが、ちょっと嫌な話をします。
ピースボートって、今までも資金集めのために一度申し込んだ早期割引をキャンセルさせないための方法として色々やってきました。
私が乗った時もキャンセルしないという誓約書を出せば、10万円分のオプショナルツアーのクーポンが貰えました。
またエコシップが延期になったときも、キャンセルしなければ12%の代金の値引きと船内で使えるクーポン10万円が貰えました。
でもお金が出せる人なら、クルーズ旅行代金がまるまるただになるだけの金額が貰えるというサービスを始めたというのはかなりビックリです。なんだか本当大丈夫かと思うぐらいな滅茶苦茶なやり方に思えてきます。(これって法律的に大丈夫なんでしょうかね。かなりグレーゾーンでなんか問題になるような気がしますけどね)
年利3%も払ってまで、このサービスをするという事で考えられるのは、はっきり言ってジャパングレイス自体がかなりお金を必要としているからではないでしょうか?
それもかなり早急に大金を必要としているような気がします。
それはエコシップを造るための建造費として、必要なのでしょうか?
でもエコシップ自体、造船する予定であるフィンランドのヘルシンキ造船所から一切発表もありません。そして完成予定の2022年には別のクルーズ船の受注がすでに入っています。
一時期中国人等のアジア諸国の人達を大量に乗せる事で、かなり乗船率が上がっていましたが、ここに来てかなり少なくなってきた気配がします。実際4月就航のゼニス号もこの時期になってもかなり空いている状態です。
正直言って本当に資金繰りは大丈夫なんでしょうか?
まさか今回の「早得プラス」で何とかしのごうと思っているのではないでしょうか?
一般の金融商品と違って、会社自体がなくなれば預けたお金は確実に戻りません。また旅行代金でもありませんから、一切保証されないです。
今回の「早得プラス」というサービスを打ち出してきて、余計にジャパングレイスに対して危機感を感じるのは私だけでしょうか?
得だと思って申し込む前に、世の中にはうまい話などそうそう転がっていないという現実をもう一度考えてみて下さい。
「早得プラス」の資料はピースボートの公式ページにあります。
コメント
DENさま、お久しぶりです。
DENさまの上記考察は極めて正当であり、心より敬意を表します。
すなわち、ピスボート(ジャパングレイス)による上記金銭預け入は、出資法(正式名称 出資の受入れ、預り金および金利等の取り締まりに関する法律)第2条に違反する可能性が高いものです。
私も、ピスボート(ジャパングレイス)が、何故今このような危ない資金集めに汲々とするのか大いに疑問です。
エコシップ建造資金捻出のためかと言えば、それは違うでしょう。
2017年5月30日にLOI契約を結んだ相手のアークッテック・ヘルシンキ造船所は、去年5月に全造船施設を新設のヘルシンキ造船所に譲渡してしまいました。
全造船施設の譲渡により負債だけになったアークッテック・ヘルシンキ造船所は、その後間もなく営業を廃止し、ホームページすら閉鎖してしまいました。
新設のヘルシンキ造船所は、上記アークッテック・ヘルシンキ造船所から上記エコシップのLOI契約を引受けた形跡は全くありません。
新設のヘルシンキ造船所は、アークッテック・ヘルシンキ造船所から一切の債務を引受けないようにするためにわざわざ新会社を設立したのですから、それが当たり前でしょう。
また、DENさまご指摘のように、新設のヘルシンキ造船所の船台は2022年一杯まで他の船の建造予定で埋まっていますから、エコシップの建造を行う余地は全くありません。
エコシッププロジェクトの主導者であるピースボートの吉岡代表は、エコシップは2020年4月までに必ず完成すると世界に向けて喧伝していたのにもかかわらず、昨年1月のエコシップ建造の2年延期発表以降は、エコシップの完成時期について全く語らなくなってしまいました(エコシップのホームページからも完成までの工程表は削除されたままです。)。
これは、同代表が、約600億円とされる建造資金の調達不調によりエコシップの完成を断念したからに違いないものと思われます。
それよりZENITH号を運行するための資金に困窮しているのではないでしょうか。
プルマンツール社に対する船舶代金(もしくはリース料、保証料)の他SOLAS2020排ガス規制に対応するためのスクラバー設置工事、ピースボート仕様への改装工事等もろもろ数十億円を要することになるでしょう。
ピスボート(ジャパングレイス)が、上記LOI契約締結に際してアークッテック・ヘルシンキ造船所に仮払金名目で支払ったとされる手付金(建造代金の5パーセントと仮定すれば約30億円)の返還を同社から受けられれば良いのでしょうが、同社が多額の債務だけを負って廃業してしまった状況では如何ともし難いのではないでしょうか。