8,ニセJTB社員に拉致監禁される!
★一回目のトラブル
鹿児島でのJTB添乗員の間違いだらけの対応でかなり不信感を持ってしまった私は部屋に戻ってから、大阪に無事に帰れるのか心配になってきた。
理由は帰りは来た時のように団体列車で引率者もなく、切符を渡されただけで各自勝手に帰れとなっていたからだ。そのうえ切符は(契)のはんこが押された料金が安い変更がきかない切符。注意書きに乗り遅れた場合は駅の係員に聞けと書かれてある。
私が持っていた切符は18時発の切符だったが、人によってバラバラで早い人は17時30分発の切符だった。
予定ではコスタベネチアが東京湾に着くのが14時、それから下船が始まるのが1時間後と書いてある。そして全員降りるまで3時間はかかるとも書いてある。
もしこの通りだったら一番最後に船を降りる人は18時だ。そこから入国審査、預けたスーツケースを探し受け取り、税関を通り、来る時と同じであれば都営バスにスーツケースを持ち込んで品川駅まで30分、当然バスに乗り込むまで待つ時間も考えなければいけないので、少なくとも17時30分に乗るためには下船開始から1時間後には降ろしてもらわないと間に合わない可能性がある。
そう思うと、とにかく確認しようと思ってツアーディスクに行き。上記のことを説明した。すると対応した方がまず言ったのは「大阪から来られたのですか?その新幹線の切符は自分で買われたのですね?、それだったら対応出来ません」と言う言葉だった。
一瞬ビックリした。大阪からのツアーがあること知らなかったのだ。そこでおたくの会社が大阪発で新幹線の切符もそちらが手配したものですから、何とかしてくださいというと「上司と相談してきます」と言っていったんカウンターの奥に入り10分ほど待たされた。やっと出てきたと思うと、いつもの台詞で「お客様を降ろす順番はコスタ側で決めることなのでやはり無理という事です」という返事。さすがにそれはないだろうと思い、さらに抗議をするとまた上司と相談しますと言って奥に引っ込んだと思うと、今度はヒゲを生やしためがねの中年が出てきて、どうしましたとまた一から説明し直された。またその人に「新幹線の切符はそちらで買われたのですね?」と聞かれたので、全くこのツアーのことを知らない人間ばかりが添乗員をしていることに気づいた。
「とにかく部屋番号と名前を聞かせてください、無理だと思いますが、一応確認しますので分りましたら連絡します」とのことで部屋と名前を伝えるが、不安なので「もし間に合わなかったら別の新幹線に乗れるんですか?」と聞くと「駅員に聞いて下さい」という。「もし乗れなかったらどうするんですか」さらに聞くと、クルーズガイドの裏に緊急連絡先の電話番号が載っているのでそこにかけろという。
それでも心配なので、「取りあえず名刺で良いので下さい。責任者を教えて下さい」というと「持っていないです。責任者もいないです。この船のスタッフにはJTBの人間は誰も乗っていませんから」と言って彼はさっさと私の前から去った。
私はひたすら唖然とした。主催した会社の社員が誰も乗っていないチャータークルーズなど考えられなかったからだ。
★2回目のトラブル
部屋の帰ってから急いでクルーズガイドを見た。そこには当コース専用ダイヤルと書いてあったので、鹿児島にいるうちに確認電話を入れようと思ったが営業時間が過ぎている上に、4月28日から5月6日は休みと書いてあるではないか、このクルーズには緊急連絡先さえなかったのだ。
この日の夕食の時の話題はこのこと一色だった。偶然だったのか周りの席のほとんどが新幹線組だったので、全員明日ツアーディスクに確認するという話になった。
次の日、緊急連絡先でも聞こうと思いツアーディスクに行った。今度はクルーズガイドや日程表と新幹線の切符まで持って行った。
既に何人かが確認に来たのか、それとも私と同じ思いの人が急に増えたのか分らないが昨日に比べて話がスムーズに行った。ところが連絡先の電話番号に関して教えてくれという話になると急に態度が硬化した。とにかく教えられないの一点張りだ。
それで「あなたたちはJTBの社員じゃないからですか?昨日の担当者の方がそう言っていましたが」というと急に顔色が変わり、「他の人は知らないですが、私はJTBの社員です」と言われたので、「すみませんが、名刺か社員証を見せて下さい」と言うと、「名刺は持ってきていません。社員証はありますが見せる義務はありません」という。
こうなるとこちらもかなり感情的になり「そう言えば名札も付けていないですよね。何か不都合なことがあるんですか?」というと、「名札はありますが付ける義務はありませんから」という。そうすると上司らしき人物が現れどうしたのかと、また一から説明させられる。もうこちらは喉がカラカラだった。
もっているクルーズガイドを見せ、この電話番号では連絡が付かない。東京で船を降りる順番によっては新幹線にも間に合わない可能性がある。その場合はどうすれば良いのか教えて欲しい。等のことを再度話をすると、「連絡先はここしかないので、次の日でも電話してくれと言う。降りる順番はこちらで決められないので、新幹線が乗り遅れた場合は自由席で帰ってくれ、もし乗れなかったら自腹で帰ってくれ。こちらの業務は帰りの切符を渡していることで終わっているから」と言われました。
結局1時間近く話しましたが、電話番号はおろか、名刺も社員証も一切見せて貰えず、取りあえず名前だけ教えてもらいましたが、それも本名であるかどうかも怪しいものでした。
その日の夕食時にまたこのことが話題になりました。取りあえず早く降りたい人の名簿を作ることになったようだと言うことは分りましたが、JTB(正確にはニセJTB)の非難に花が咲きました。
★3回目のトラブル
どうにかして彼等が偽物であることを証明したい思いで考えていたら、ふと旅行業務取扱管理者証と言うのを思い出しました。少なくともこれだけのツアーの責任者であれば所属旅行社から発行されたこの証明書を持っているはずです。またこれは旅行者が見せて下さいと言われれば見せなければいけない義務があるはずです。
そこで3度目のツアーディスクに行き、また相談に行きました。若い男性が対応されたので質問するととんちんかんな答えをされるので、「すいませんがJTBの社員の方ですよね。旅行業務取扱管理者証を見せて貰えないですか?」というと「旅行業務取扱証ですよね。当然持っていますよ。今ロッカーに置いてありますので持ってきますので」と言って奥に入ったきり10分経っても出てこない。さすがに私も腹が立ったので他の添乗員に呼びに行ってくれと声を荒立てて言うと、昨日の主任らしき人物が出てきて「私が話を聞きます」というので旅行業務取扱管理者証のことを言うと、「ちょっと待ってくれ」とまた奥に引っ込んでしまった。
暫く待つと、別の中年の男性と現れ、ちょっと横の椅子で話をと言うのでそこに行くと、おとつい私にJTBの社員は一人もいないと言ったヒゲの男がいた。それで私も思わず、「おい、お前この前私にこの船にはJTBの人間は誰も乗っていないと言っただろうが、でもこいつはJTBの社員だと言っているぞ。どっちかが嘘ついているんだろう。はっきり聞かせろ」というと、私を連れてきた男性2人に両脇をつかまれ「部屋で話を聞きますから、他の方の迷惑になりますから」といって無理矢理その場から離そうとする。
部屋と言うから私の部屋かと思っていたら、変なところに連れ込まれた。どうもカラオケルームらしいところだ。ドアを閉めても良いかというので、閉められたら何をされても分らないから絶対にやめてくれと言うと、取りあえずドアを開けたままなった。
それから、こちらも万が一のことが合ったらと思い、スマホを置き録音させていただきますからと言って、録音を開始した。
そして今までの経緯をまた一から説明して、「ちゃんと品川駅で新幹線に乗れるまでケアしてくれるんでしょうね」というと出来ないという。昨日と同じで新幹線の切符を渡した時点でJTBの業務は終わっているという。遅れることは考慮済みであの切符は自由席には乗れるので、それで帰れという。私が「GWは新幹線の乗車率は160%で自由席でも帰れないかもしれない」というと、通路でもデッキでも立って帰れろ。それも考慮済みだという。緊急連絡先もないし、早く船から下りられるかどうかまで保証出来ない。それらは全て考慮済みだという。
最後に旅行業務取扱管理者証を見せてくれと言うと、あれは重要事項を確認する時に見せるだけで、契約が終わったあとは見せる義務はないというので、それは違うと思いますので、ちゃんと確認して違反なら通報させていただきます。と言って録音を切り部屋を出ようとしたら、その録音を一般に流したら個人保護違反になり訴えさせていただきますと、おどおどした声で言っていたので、どうぞと言って部屋を出た。
結局この人達のせいでとっても不愉快な船旅となった。
★結論
先に結論から書く、結局私の心配は杞憂で終わった。無事に3時間も前に品川駅に着きゆっくり品川で食事をして新幹線に乗り家路につけた。それは船が予定より1時間も早く到着したことと、コスタ側のご厚意で新幹線組は早く降ろしてもらっえたおかげだ。
でもJTBのおかげだとは思っていない。彼等も言っていたがコスタのことには自分達は口が出せないのだから、やってくれるはずがないのだ。
今も彼等はJTBの社員ではなかったと断言出来る。なぜならあそこまで頑なに自分の身分を隠す必要がないからだ。人に疑われていたのであれば、さっさと身分証明書なり旅行業務取扱管理者証なりをだしてはらせば良いはずだ。
なのに、隠す必要があったのは全員がニセJTB社員であることが分ることがまずかったからだろう。きっと彼等はJTBの下請けか孫請けの社員で、若い連中の多くはまともに英語もしゃべれない学生アルバイトだったと思う。
彼等は今回のツアーでは添乗員らしい仕事を一切せず、逆に妨害嫌がらせをしただけで、あとはクルーズのバカンスに来ていただけだった。
食事の時に何度もトラブルがあり、JTBの添乗員を探したが誰もおらず、一度だけ通りかかった事があった時も、こちらが必死に呼びかけているのに知らぬふりをして通り過ぎていった。
ショーの時も大変不愉快な思いをしてJTBにお願いしに行ったが聞いても貰えなかった。
さすがに苦情が殺到したせいか、最後の2日間は妙に愛想が良かった。普段は1,2人しかレストランにいないのに、5人ぐらいがいた。でも仕事はしてなかったけれども。
最後の日は珍しくJTBの添乗員から写真を撮りましょうかと声をかけられた。それまではこちらが声をかけるまでぼーと突っ立ているだけだったから。
普段の旅物語のツアーに行くと必ず何かトラブルがあった時のために緊急連絡先を書いた紙をもらい、最後にアンケート用紙が配られるけれども、さすがにボロボロの評価しかもらえないことが分っているのか配ることもなかった。
旅物語のサイトにはお客様のアンケートの声を大事にして企画している旅行と詠っているのにね。ここまで客の声を無視したツアーは初めてでした。
船を降りる時に、「品川の駅までお見送りさせていただきます。皆様を最後までお世話いたします」と言っていたけど、品川でJTBの姿は1人も見かけなかった。
最後の最後まで嘘を突き通したツアーでした。
トラブルはまだまだ書くこといっぱいありますが、これだけで終わっちゃうので次回からはちゃんとコスタクルーズの魅力もお話しします。
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