2016年09月14日(水)
朝5時ごろ、突然船内放送が入る。今からスエズ運河に向かって船を進めるという内容だ。
船は昨日の夜10時ごろからスエズ運河直前で停泊していたが、朝日が昇る早朝まで出航を待っていた。
それはスエズ運河の管理上でそうなっているのか、ピースボートの計らいでスエズ運河の景色を見せるためにそうしたのか私には分からないが、早朝スエズ運河に向かって出航した。
私はその放送を聞いて飛び起きて、7階の船首デッキに向かう。普段はここは立ち入り禁止地域なのだけど、この日だけは特別に開放されている。
まだ薄暗い中、船はゆっくりと進んで行った。広い海から狭い川のようなところを通って行く、その川はまっすぐに伸びていて明らかに人工的に作られたものだとわかった。スエズ運河に入った。
でもそれほど感動も興奮もなかった、景色だけを見ると砂漠の川を通っているだけのようにしか見えないが、ここは膨大な費用と多大な人材をつぎ込んで作った人造の運河だと思いなおすと、少し感動した。
それからずっと運河の流れを見て1時間半ほどデッキにいたけど、正直言って寒かった。砂漠地帯も朝は寒いと知らされた。
それから朝食を取り、その後イタリアでピースボートを一時的に離脱するための手続きをしに行った。
わずか3日だけ船を離れるそれもイタリア国内を自由に行動したいだけなのに、何故か手数料として6000円も取られた。
もっと日数が増えて国が変われば高くなるのかどうか知らないが、手数料を高く取って、ピースボート側が出来るだけ自由行動を抑制しようと悪意をもっているのかと思ってしまった。
まあピースボートも儲からないことはやりたくないだろうから仕方がないかと諦める。
次にまた放送が入った、運河の途中にある湖を通過中というのだ。また7階船首デッキに急いでいく。
だからと言って壮大な景色が見えたわけでもなく、ただ湖の中を浮かんでいる船が見えただけなのだが、この湖の先にある新しくできた第2スエズ運河に今回通るそうなのでその瞬間まで見ようとひたすら待った。
でも、もう入り口の近くまで来ているのになかなかそこまでたどり着かない。それは船自体がとっても遅い速度で走行しているからで多分時速10キロぐらいしか出ていないと思えた。
やっと第2スエズ運河に入りまた砂漠の中を通過しているのを確認して部屋に戻った。またたっぷり1時間半外にいた。
それから昼ご飯を食べに行き、もうすぐ食べ終わるという頃にまた船内放送が入った。スエズ運河で有名な日本とエジプトの友好の橋にまもなく通過するというのだ。
それを聞いたらご飯を食べるのを途中でやめてそのまま、また7階船首デッキに行った。確かに友好の橋が目の前にあったけれど、相駆らわずのろい運航速度のおかげで橋をくぐり終えるまでたっぷり30分はかかった。こんな事なら食事をしっかり最後までしておけばよかったと後悔する。
これで後はスエズ運河を出る瞬間だけ見たら満足と思っていたら、1時間30分後、また船内放送。スエズ運河を出て地中海に入るというのだ、ちょうど日記をつけていたのだけどそれも途中でやめて、また7階船首デッキに急いでいく。確かに目の前は広い海が広がっていた。
これも出る瞬間を見ようとじっと待っていたら結局30分かかってしまった。おかげでスエズ運河を運航していた9時間のうち4時間も真剣に景色を見ていた。何だか今日一日これしかしていないのにとっても疲れた気分になった。
結局午前5時から午後2時過ぎまでの間、スエズ運河通過で自分一人で大騒ぎはしていたわけだけど、やっとそれもお開きになった。その後は結構暇になったけれど、何をするわけでもなく何となく部屋でゴロゴロしていた。
夕食前に行ったことといえば夕陽の写真を撮りに行ったくらいで本当に何にもしなかった。やはり朝からの大騒ぎのために体がすっかり疲れてしまったようだ。
そういえば最近船の中では風邪が大流行している。喉風邪で扁桃腺が腫れ、咳が続き高熱が出る。そんな関係で船内で咳をしている人がかなりいる。そのため風邪が伝染らないか結構心配だ。こんな体調が悪い時は特に心配になるので、最近はうがいをするようにしている。
夕食の時もいつものメンバーの中で2名ほどが風邪で体調が悪そうだった。中には4,5日寝こむ人もいるそうなので頑張って防がなければ、明後日からはヨーロッパに入りギリシャ寄港からしばらく強行軍の日程になるのだから、ここで倒れることはできない。
そんなわけでこの日は食後すぐに寝た。
それに今日も時差変更が発生するがいつもの1時間遅らせるのではなく、逆に1時間進めるそうだ。なんでもギリシャに入るとサマータイムになるためにそういうことになるそうなのだが、お陰で今日は1時間短い日になるので何となく損をしたような気になってしまう。
船は西に進んでいるのに何となく感覚的におかしい感じがするが、ヨーロッパなどの風習だから仕方がないか。
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