69日目:キューバで急場を凌ぐ

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2016年10月26日(水)
朝7時ごろ目を覚ます。すでに船はキューバのハバナに着岸していた。

暗い外を眺めると、何だか寂しげな町が見える。なんとなく不安感ばかりが感じる朝だ。

 

朝ご飯を食べてから、今日のツアーの準備をする。今日もニューヨークと同じく入国審査があり、かなりうるさそうだ。
ツアーの集合時間に7階ブロードウェイに行くと、前のツアーがまだ出発できないために結局15分遅れで出発した。やっぱり入国審査が影響しているのだと思った。

船の検問を通過したらいよいよ入国審査になった。すでに長い行列が出来ていてその進み方がとっても遅い。何でこんなに時間がかかるのかわからないけど待たされる。待たされる。

やっと自分の番になったと思ってパスポートと書類を出すけれども、仕事にやる気があるのかと思うくらいのんびりと仕事をする。社会主義の国に良くある光景だけど公務員の仕事やる気なしの態度は見ていて本当に腹が立ってくる。

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それでも30分ほど並んで何とか終わったと思ったら今度は荷物検査があった。これもすごく並んで待つ。通常の空港で行うセキュリティチェック以上の厳しい検査でかなり時間が費やした。

結局ここまでで1時間ほどかかった。でも私などはまだましな方で、ある列で並んでいた人達は突然入国審査の係員が席を外したと思うと、そのまま窓口が閉まってしまったそうだ。

どうも自分の仕事時間が終わったので、後の引き継ぎもしないで窓口を閉めてしまったようだ。この国の公務員は責任感とか迷惑という気持ちは全くないようだ。

その為最初からほかの列に最初から並びなおさなければいけなかったために、入国審査が大幅に遅れた人が続出した。

 

その結果ツアーバスも大幅に遅れて出発することとなった。

 

ツアーバスに乗って最初に行った事は両替だった。キューバーはペソという通過が使われているけど、外国人は兌換ペソという旅行客しか使えない通貨に換える必要があるのだった。私が行ったときは一ユーロが1ペソ相当だったけれど、実際の地元での価値は分からない通貨だ。こんな政策をしているあたりはなんとなく北朝鮮のように感じた。その兌換ペソも一人20ユーロまでしか換えられなかったので、その日の夕食をハバナの街で食べようと思っていた私は限度額のユーロと換えた。

 

その後バスは出発してツアーに出かけたのだけど、街を見て正直唖然とした。ほとんど廃墟と言ってよいくらいの崩れかけた建物ばかりが目立つ。確かにキューバ名物のクラッシックカーも多く走っているが、その多くが廃車にしない方が不思議なくらいのぼろ車だった。

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要はゲバラの革命で社会主義国家になった為にアメリカから経済援助が一切行われなくなったために、資材や援助金などが入ってこなくなってしまい国全体が朽ち果てるままの状態で街を放置しているというのが現実のようだ。

 

その為にどこに行っても、廃屋としか言いようがない建物が続く。そんなところにとても豊かとは思えない人々が住んでいる。旅行社のキューバの売り文句はレトロな町並みが続く魅惑の国と言っているけれど、私には敗戦直後の日本のような雰囲気がした。それがキューバに関しての率直な印象だ。

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その上社会主義のためか、人々は決して仕事に関して勤勉ではない。のんびりしているし、売っている品物自体とっても質が悪い。こんなのでは経済を回復して、街を活性化なんて不可能という感じがとてもする国が私が見たキューバだ。

 

とりあえずツアーの最初は革命博物館に行った。キューバ革命の歴史を展示した博物館だそうだけど、言葉も分からないし展示が古い写真だけという内容だったので、個人的には特に見るものが何もない博物館だった。

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次に民芸品市場に行ったが、あまり質の良いとは言えない手作り品を売っていた。唯一ラム酒と葉巻だけは本場と言う事でその売り場だけはかなり混んでいた。

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それから昼食にレストランに行って驚いた。そこの建物だけがピカピカでとても立派だったからだ。食事もかなり豪華なものが出た。

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その反面、酷かったのがトイレだった。レストランの裏手にあったのだけど、壊れたままで使用するのにもかなり勇気がいるような代物だった。表面的には綺麗にしているけれども、裏面までは手が回らないというのが現状か。

 

確かにトイレ事情はどこも悪かった。壊れたままで放置なのは当たり前だし、ドアも閉まらず、水も流れないのが普通なのだから。そのくせ紙を使うにはお金を支払う必要だ。

 

キューバーは先進医療の国だとか幸せな社会主義国家だとか言われているけど、物乞いをする人もかなり見かけたし、また街自体ゴミだらけでとても清潔感からほど遠い国だとしか思えなかった。

 

私が行ったところは多分旅行者が寄るような所ばかりだったので、基本的にとても整備されている所のはずなのだが、それでもひどすぎると思った。
その為キューバの一般の市民の生活は本当に貧しくひどい生活だと想像できた。

 

昼からはカバーニャ要塞に行く。ここはハバナの丘陵地帯に建つ要塞で、その上から街並みが見えるのだが、そこからピースボートも見えた。何となくキューバの国旗とピースボートが並んで見えた風景を見て、どちらも没落していく象徴にならなければ良いなとふと思ってしまった。

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最後にキューバで最も有名な革命広場に行き、ゲバラの肖像を見たけれど、ただ広いだけの広場にぽつんと見えるゲバラの顔が寂しく見えた。

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結局ハバナの街で印象が残ったのはクラッシックカーだけだった。それ以外は寂れた街としか私には写らなかった。

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夕方ツアーが終わって船に戻ってきたら、また荷物検査のために長蛇の列に並ばされ、また今度は出国審査が行われた。これでも一時間くらい時間を費やしたので、本当は外で食事をするつもりだっただけど、また船から出るのが面倒だと思って、やめて自分の船室に戻った。

 

その為せっかく両替した兌換ペソがほとんど余ってしまったので、夜に行われる国営キャバレー「トロピカーナ」でショーを見るツアーに行く同室のオノちゃんに譲った。

ちなみに「トロピカーナ」のショーはかなり凄かったそうですが、私は2万のツアー代がもったいなくって行けなかったです。

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結局この日はおとなしく船で夕食を食べ、みんなが「トロピカーナ」で楽しんでいる頃、一人寂しくバーピアノでウィスキーを飲んでおりました。

明日も午前中も市内観光があるのですが、正直見たいという気持ちがあまりないです。

私にとってはキューバはただただ急場凌ぎの寄港地としか思えなかったです。

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